生きた証

彼の年齢は、僕と同じ42歳。

彼は9月生まれなので、あと5ヵ月ほど生きていれば43歳に
なるはずでした。。。

僕は、彼と面識は全くありません。

ただ年齢が、生まれた年が同じと言うだけです。

彼は、つい先日、住んでいたアパートの一室で亡くなって
いたそうです。

心筋梗塞らしいです。

部屋は、ペットボトルやカップ麺の容器、それと雑誌などで
かなり散らかっていたようです。

本当に足の踏み場がないほどだったそうです。

住んでいたのは築50年以上の木造アパート･･

風呂はなく、トイレは共同で･･

家賃は2万8000円。

東京都新宿区にあるアパートだそうです。

彼は内向的な性格だったらしく、自分から人に話し掛ける
ことは、まずなかったと言います。

友だちを部屋に招いたり、外へ出て酒を飲んだりすることも
なかったと言います。

ほとんど毎日、部屋の中で過ごし、通販をよく利用していた
みたいです。

彼は無職です。そして、独身です。

定職に就かず、親からの仕送りで暮らしていたのです。

実家は愛媛県です。

彼の父親は、大学の教授です。

地方では名の知れた名士です。

母親は教育熱心で、彼は高校を卒業後、1年半、アメリカ留学
して、その後、中央大学へ在籍しました。

彼は、弁護士を目指したようですが、試験は不合格。

40を過ぎても職に就かず、それでも司法に関する勉強をして
いたのか、郵送で書類が届けられることがあったそうです。

たまに彼は外出する際、「ニコニコ動画」に生配信していた
そうで、それがある意味、唯一の「生きた証」でした。

僕が知っているのは以上です。

　　オレよりずっと恵まれた環境なのに、
　　暮らしぶりは、オレの方がちょっと
　　イイかもナ。。。

これが正直な感想でした…。

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