笹やん 狙い撃ち
午前10時を過ぎた頃、バイト先の冷凍食品センターでは…
相変わらず笹やん、センター長から怒鳴られっ放しです。。。
エエ加減にしとけよ！
あれほど入庫予定表を提出しろと
言っとるにもかかわらずっ！
これだけ商品アイテムが多いんじゃ
ムリじゃんねぇ！
もう何から手をつけていいのか…
何からもへったくれもあるか！
入庫する予定の商品を順番に提出して
行くに決まっとるやろ！
一度にまとめて多種類の入庫が
毎日のようにあるんで、混乱して
予定表どころじゃないじゃんねぇ！
だからぁ～、オメーが予定表を
ちゃんと提出すれば混乱せずに
済むやろ！
自分で自分の首絞めとるようなモンやぞ！
それに出荷量が多過ぎて、とても手が
回らないのが現状じゃんねぇ！
こんなのオレ1人にやらせる方が
間違いじゃんねぇ！
誰もオメー1人だけにやらせとらんやろ！
予定表を出すのは、各担当者の仕事であって、
みんな、ちゃんと提出しとるンやぞ！
なぁ？
オメーだけやぞ！
何回言っても出さんヤツは…！
ほかの奴らと一緒にせんでくださいよ！
物量の多さが違うじゃんねぇ！
こっちは2倍ほどの量を毎日毎日
入出庫させてるってのに！
だからぁ～、その分、オメーの管轄だけ
特別にバイトの頭数が違うやろ！
入出庫の現場作業はバイトに任せても
問題ないやろ！
オメーは管理する立場やっつーの！
エエか？
なぁ？
オメーは、入庫予定表を毎日、専任へ
提出して連携を取る！
なぁ？
それでセンター内の作業がスムースに
なるンやぞ！
そして、オメーはバイトたちに入出庫の
指示をしていればエエんやぞ！
なぁ？
オメーがイチイチ動かんでもエエんやぞ！
って何回も言わすなよ！
本来であれば、各社員が発注して、センターへ入庫される商品は、
事前に入庫予定表を発行し、それを入出庫作業専門のリフトマンへ
提出するルールになっているのですが…
笹やんは、それを怠っているようで…
おそらく、センター長に専任リフトマンがクレームをつけた
のではないでしょうか？
それでセンター長が、笹やんのところへ怒鳴り込んで来たわけ
です。
と、そこへ…
専任であるバイトのカワサキさん、エサキさんがこちらへ
向って歩いてきました。
見慣れぬ二人の男性も一緒です。。
あ…
来てまったがや…。
センター長が、こちらへ向かってくる彼らを見て、そうつぶやき
ました。
笹やんも、険しい表情のまま、彼らの方へ顔を向けました。
やあ、先に来られていたんですね。
私たち、カワサキさんとエサキさんに
詳しい事情を聴いていたンです。
1人の男性が、センター長にそう言いました。
センター長は、二人に対して会釈してから、再び笹やんの方に
向き直り、
こちらの二人は、本社の流通管理部の
商品管理課の人で、ここの作業の流れを
確認に来られたんやけど…
と、ここで言葉を区切り、改めて笹やんを見据えてから、
その流れを乱すオメーに、ひと言
言いたいことがあるそうだ…。
と言いました。。。
その前に…
これは僕の個人的な印象に過ぎませんけど…
この流通管理部の商品管理課の二人…
年齢は僕より少し上…、43、44…ってところでしょうか。
この二人、背丈や体型もそっくり、やや四角張った顔つきも
そっくり、さらに二人とも銀縁のメガネを掛けていて…
双子…？ 兄弟かな…？
と思うほど似ています。
阿佐ヶ谷姉妹…っていますよね？
それの“男”版です！
阿佐ヶ谷兄弟。。。
そんな単語が、僕の頭の中にクローズアップしてきたのでした。
同時に僕は、思わず口元を緩めるのでした。。
で…
阿佐ヶ谷兄弟の弟(･･って勝手に思っただけです)の方が、
笹○さん、入庫予定表の件、
今、センター長から言われていたと
思いますが、どうして出さないンです？
他の社員のみなさん、ちゃんと提出して
くださっていますよ。
ピシャリ！とした口調で言いました。
･･････････････････
･･･････････････
やや上目づかいに弟を見つめたまま、無言の笹やん。。。
少しニヤ～っと笑っているようでもあります。。。
すると今度は兄(･･って、これも僕の勝手な妄想です)が、
提出できない理由があれば
教えてください。
場合によっては改善策を
検討しますので…
これも弟と同じく、冷たい口調でした。
･･････････････････
･･･････････････
やはり無言のまま、ニヤ～っと笑って誤魔化そうとしている
笹やん。。。
1月から2月までは、100％とは
言えないまでも、ほぼ出して
くれてたじゃん！
それがだんだん未提出、未連絡に
なってきて…、今じゃスッカリ…。
と、カワサキさんが口を挟んできました。
そうだよ！
予定表を出すように言われた当初は
出してたンだからさぁ！
出せないワケじゃないでしょ？
さらに、エサキさんも加わってきました。
忙しいのは別に笹やんだけじゃ
ないんだからさぁ！
いきなり大量に入庫されてくる
商品を処理するオレらの身にも
なってくれよ！
カワサキ＆エサキの専任コンビが、笹やんに強く迫ります。
特に提出できない理由は
なさそうですね？
どうなんです？
笹○さん。
でしたら、1月、2月のように
提出していただけますね？
できれば確実に出してください。
それがルールでもありますから。
そして、兄弟からも迫られる笹やん。。。
パンッ！
バキューン！
まるで笹やんは、カワサキ＆エサキ、それに阿佐ヶ谷兄弟が放つ
銃の弾丸を集中的に受けているようでもあります。
そこへ専任リフトマンの管理者である社員のタカハシさんも
やってきました。
真面目で温厚な性格のタカハシさんは、おとなしげに周囲に
頭を下げつつ、入ってきたのでした。
タカハシさんの姿に、笹やん、わずかに救いの光を見たようで、
よし、ここはタカハシに
穏便にまとめてもらおう☆
とでも思っているに違いありません。
ルールはわかりますけど、
とにかく毎日がバタバタで…
悪いとは思っているんだけど…
なあ、タカハシぃ～…。
笹やんは、すがるような目でタカハシさんを見つめつつ、
そんなことを言いました。
すると、伏し目がちにタカハシさんが、こう言いました。
発注と同時に入庫予定表を発行し、
それをこちらへ事前連絡することが
ルールです。
例外は認められません。
ピシィーーーッ！
シュパーーン！
唯一、救いを求めていたタカハシさんから、光線銃で射止め
られた笹やん…。
もう逃げ場はありません。。
まったく、笹やんは周囲に
迷惑掛けてるって自覚が
ないンだから！
そうそう！
オレたちだって、いつまでも
黙っちゃいないよ！
うんうん！
そうそう！
シュポォーーーン！
ドッキューン！
カワサキさんとエサキさんが、激しく銃弾を浴びせます。
こうしてセンター長、タカハシさん含め、6人から狙い撃ち
された笹やん。
ズタズタです。。。
ルール通り、予定表を提出することを約束させられ、何とか
解放された笹やんでした。
そのあと…
昼の休憩の前、トイレに行くと、笹やんもいました。
何やらブツブツ言う笹やんの口から、こんな言葉が…
ちっきしょーーっ！
あの阿佐ヶ谷兄弟めっ！
あ！ 笹やんも同じコト思っていたんだ☆
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相変わらず笹やん、センター長から怒鳴られっ放しです。。。
エエ加減にしとけよ！
あれほど入庫予定表を提出しろと
言っとるにもかかわらずっ！
これだけ商品アイテムが多いんじゃ
ムリじゃんねぇ！
もう何から手をつけていいのか…
何からもへったくれもあるか！
入庫する予定の商品を順番に提出して
行くに決まっとるやろ！
一度にまとめて多種類の入庫が
毎日のようにあるんで、混乱して
予定表どころじゃないじゃんねぇ！
だからぁ～、オメーが予定表を
ちゃんと提出すれば混乱せずに
済むやろ！
自分で自分の首絞めとるようなモンやぞ！
それに出荷量が多過ぎて、とても手が
回らないのが現状じゃんねぇ！
こんなのオレ1人にやらせる方が
間違いじゃんねぇ！
誰もオメー1人だけにやらせとらんやろ！
予定表を出すのは、各担当者の仕事であって、
みんな、ちゃんと提出しとるンやぞ！
なぁ？
オメーだけやぞ！
何回言っても出さんヤツは…！
ほかの奴らと一緒にせんでくださいよ！
物量の多さが違うじゃんねぇ！
こっちは2倍ほどの量を毎日毎日
入出庫させてるってのに！
だからぁ～、その分、オメーの管轄だけ
特別にバイトの頭数が違うやろ！
入出庫の現場作業はバイトに任せても
問題ないやろ！
オメーは管理する立場やっつーの！
エエか？
なぁ？
オメーは、入庫予定表を毎日、専任へ
提出して連携を取る！
なぁ？
それでセンター内の作業がスムースに
なるンやぞ！
そして、オメーはバイトたちに入出庫の
指示をしていればエエんやぞ！
なぁ？
オメーがイチイチ動かんでもエエんやぞ！
って何回も言わすなよ！
本来であれば、各社員が発注して、センターへ入庫される商品は、
事前に入庫予定表を発行し、それを入出庫作業専門のリフトマンへ
提出するルールになっているのですが…
笹やんは、それを怠っているようで…
おそらく、センター長に専任リフトマンがクレームをつけた
のではないでしょうか？
それでセンター長が、笹やんのところへ怒鳴り込んで来たわけ
です。
と、そこへ…
専任であるバイトのカワサキさん、エサキさんがこちらへ
向って歩いてきました。
見慣れぬ二人の男性も一緒です。。
あ…
来てまったがや…。
センター長が、こちらへ向かってくる彼らを見て、そうつぶやき
ました。
笹やんも、険しい表情のまま、彼らの方へ顔を向けました。
やあ、先に来られていたんですね。
私たち、カワサキさんとエサキさんに
詳しい事情を聴いていたンです。
1人の男性が、センター長にそう言いました。
センター長は、二人に対して会釈してから、再び笹やんの方に
向き直り、
こちらの二人は、本社の流通管理部の
商品管理課の人で、ここの作業の流れを
確認に来られたんやけど…
と、ここで言葉を区切り、改めて笹やんを見据えてから、
その流れを乱すオメーに、ひと言
言いたいことがあるそうだ…。
と言いました。。。
その前に…
これは僕の個人的な印象に過ぎませんけど…
この流通管理部の商品管理課の二人…
年齢は僕より少し上…、43、44…ってところでしょうか。
この二人、背丈や体型もそっくり、やや四角張った顔つきも
そっくり、さらに二人とも銀縁のメガネを掛けていて…
双子…？ 兄弟かな…？
と思うほど似ています。
阿佐ヶ谷姉妹…っていますよね？
それの“男”版です！
阿佐ヶ谷兄弟。。。
そんな単語が、僕の頭の中にクローズアップしてきたのでした。
同時に僕は、思わず口元を緩めるのでした。。
で…
阿佐ヶ谷兄弟の弟(･･って勝手に思っただけです)の方が、
笹○さん、入庫予定表の件、
今、センター長から言われていたと
思いますが、どうして出さないンです？
他の社員のみなさん、ちゃんと提出して
くださっていますよ。
ピシャリ！とした口調で言いました。
･･････････････････
･･･････････････
やや上目づかいに弟を見つめたまま、無言の笹やん。。。
少しニヤ～っと笑っているようでもあります。。。
すると今度は兄(･･って、これも僕の勝手な妄想です)が、
提出できない理由があれば
教えてください。
場合によっては改善策を
検討しますので…
これも弟と同じく、冷たい口調でした。
･･････････････････
･･･････････････
やはり無言のまま、ニヤ～っと笑って誤魔化そうとしている
笹やん。。。
1月から2月までは、100％とは
言えないまでも、ほぼ出して
くれてたじゃん！
それがだんだん未提出、未連絡に
なってきて…、今じゃスッカリ…。
と、カワサキさんが口を挟んできました。
そうだよ！
予定表を出すように言われた当初は
出してたンだからさぁ！
出せないワケじゃないでしょ？
さらに、エサキさんも加わってきました。
忙しいのは別に笹やんだけじゃ
ないんだからさぁ！
いきなり大量に入庫されてくる
商品を処理するオレらの身にも
なってくれよ！
カワサキ＆エサキの専任コンビが、笹やんに強く迫ります。
特に提出できない理由は
なさそうですね？
どうなんです？
笹○さん。
でしたら、1月、2月のように
提出していただけますね？
できれば確実に出してください。
それがルールでもありますから。
そして、兄弟からも迫られる笹やん。。。
パンッ！
バキューン！
まるで笹やんは、カワサキ＆エサキ、それに阿佐ヶ谷兄弟が放つ
銃の弾丸を集中的に受けているようでもあります。
そこへ専任リフトマンの管理者である社員のタカハシさんも
やってきました。
真面目で温厚な性格のタカハシさんは、おとなしげに周囲に
頭を下げつつ、入ってきたのでした。
タカハシさんの姿に、笹やん、わずかに救いの光を見たようで、
よし、ここはタカハシに
穏便にまとめてもらおう☆
とでも思っているに違いありません。
ルールはわかりますけど、
とにかく毎日がバタバタで…
悪いとは思っているんだけど…
なあ、タカハシぃ～…。
笹やんは、すがるような目でタカハシさんを見つめつつ、
そんなことを言いました。
すると、伏し目がちにタカハシさんが、こう言いました。
発注と同時に入庫予定表を発行し、
それをこちらへ事前連絡することが
ルールです。
例外は認められません。
ピシィーーーッ！
シュパーーン！
唯一、救いを求めていたタカハシさんから、光線銃で射止め
られた笹やん…。
もう逃げ場はありません。。
まったく、笹やんは周囲に
迷惑掛けてるって自覚が
ないンだから！
そうそう！
オレたちだって、いつまでも
黙っちゃいないよ！
うんうん！
そうそう！
シュポォーーーン！
ドッキューン！
カワサキさんとエサキさんが、激しく銃弾を浴びせます。
こうしてセンター長、タカハシさん含め、6人から狙い撃ち
された笹やん。
ズタズタです。。。
ルール通り、予定表を提出することを約束させられ、何とか
解放された笹やんでした。
そのあと…
昼の休憩の前、トイレに行くと、笹やんもいました。
何やらブツブツ言う笹やんの口から、こんな言葉が…
ちっきしょーーっ！
あの阿佐ヶ谷兄弟めっ！
あ！ 笹やんも同じコト思っていたんだ☆
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