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その嫁さんは幸運の女神

これは今日、一緒に仕事した職人さんから聞いた話です。

今から10年以上前のこと…

当時、27歳だった男は、晴れて自分の店を持つことに
なりました。

店と言いましても小さなおでん屋です。

この男は、専門学校を卒業した後、ある有名な日本料理店で
6年間修行し、こうして小さいながらも自分の店を構えることが
出来たわけです。

しかし…

彼が店を構えられたのは、修行だけではありません。

彼には、修業時代から付き合っていた女性がいました。

3つ下で、周りによく気が利く働き者の女性でした。

そんな彼女は、この男のことを好きになり、おでん屋開業の
頃には籍を入れていました。

彼女は、この男を支え続けました。

実に献身的に、この男のために働いたとのことで…

身を粉にして尽くす…とは、まさにこのことだと言うほど、
彼女は、小さなおでん屋のため、男のため、懸命に働いた
そうです。

こうして1年、2年経った頃…

男は浮気をします。。。

相手は、ここ数ヵ月のうち、店によく通うようになった
水商売の女だったようで…

どれほどの容貌の女か知りませんが、男は、自分のために
尽くしてくれた妻を捨てて、その女と一緒になりました。

捨てられた彼女の凄いところは、怒るでもなし、泣き
喚くでもなし…

実に静かな姿勢であったと言うことです。

あまりの絶望感に、怒ることも泣くこともできなかったの
でしょうか?

それとも、こうなるであろうと予想していたのでしょうか?

しかし…

献身的な妻と別れた頃から、男の運命は狂い始めたのです。

浮気相手と一緒になって1年も経たぬうちに、その女は
別の男と遊び歩くようになります。

平気で店の売上金を使い、平気で外泊までしていたそうです。

これには我慢できず、男は離婚することに…

その後、2年ほど過ぎた頃でしょうか…

男は、再々婚することができました。

相手は、やはり、おでん屋へ通う常連グループの中の
女性でした。

ところが半年後、彼女は交通事故で亡くなってしまいます。

さらに、その頃は不景気のためか、客足もガクンと減って
しまい、男は借金をすることになります。

何とか1年、2年、細々とおでん屋をやってきましたが、
赤字が膨らむばかり…

男は精神的に追い詰められてきたようで、うつ病と診断
されました。

調理することが面倒になり、まともに接客できないほど
男は陰気になったそうです。

  一生懸命、頑張ってきた働き者の嫁さん、
  手放したバチが当たったんや!
  最初の嫁さんの呪いかも知れんナ…。
  それとも、その嫁さんは幸運の女神やった
  かもナ…。
  そんな嫁を捨てて、尻の軽い女と一緒になっても
  エエことなんかあるわけないやろ

職人さんは、そう言いました。

こうなると気になるのは、その最初の嫁さん…

献身的な、幸運の女神のような嫁さんは、今、どこで
どうしているのでしょう?

  わからん!
  誰に聞いてもわからんのや!
  ホンマ、幸運の女神で、フッと
  消えてもうたんとちゃうやろか?

職人さん、真顔で言ってました…。
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