________________________________________________________________________

万座毛の怪談

とても古い事件ですが…、そうですねぇ、もう7、8年前のこと
らしいです。

万座毛(まんざもう)と言えば、断崖から広大な海を望む沖縄でも
有数の景勝地です。

と言っても、僕は行ったことないので詳しく知りませんが…。

そこへ行った人から聞いた話ですが、その人が万座毛の断崖に
立って記念撮影をしてもらっていたら、何だか強烈な力で両肩を
ぐいぐい引かれるような気がして、うっかり崖から転落しそうに
なったと言ってました。

まぁ、とりあえず景色も楽しんだことだしと、断崖から少し
下った場所にある土産物屋さんへ入り、品物を眺めながら、
店の女将に、さきほど体験したことを冗談っぽく話していると、
その女将は、見る見る顔色を失い、こう語ったそうです…

もう7、8年前のこと、60近い観光客らしき女性が店に入ってきて、
万座毛の崖下へ下りるにはどうしたらよいか?と尋ねてきました。

女将はなぜ崖下へ…?と思い、理由を尋ねると、その女性は実に
落ち着いた、いいえ、冷めたく取り澄ました口調で、

  人が落ちたから…

とだけ言いました。

女将は自分の耳を疑ったそうです。

人が…、落ちた…?

万座毛は断崖ですが、これまでに転落事故は、ほとんどと言って
いいほど起きていません。でも…、

もし、本当だとしたら…、本当ならば、なぜ、この女の人は
こうも取り澄ましていられるんだろう…、そう思ったそうです。

それから女将は急に腹が立ってきて、

  あんた…! なんで…、
  なんで、そんなに呑気なの!?

その女性に、叱りつけるように言い放ちました。

すると女性は表情ひとつ変えることなく、その場に突っ立ったまま、

  写真を撮るとき、『もう少しバックして』と
  言ったら落ちてしまったの…

と答えたそうです。

驚き慌てて、女将は現場に走っていきました。

そこには、5人ほど男たちが、実に手持ちぶさたな様子で、ぼんやり
崖下を見つめて立っていたそうです。

異様な空気に包まれる中、女将が崖下を見ると…、

そこには一人の男が横たわっていました。

結局、その60近い女性は殺人罪で起訴されたと聞いていますが…、


ところで…、

例の万座毛の断崖に立って記念撮影した人の写真を見せてもらった
ところ、その人の両肩に、何やら青白い手が写っていたような…。
にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ
にほんブログ村




nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました