________________________________________________________________________

葬儀に目をつけ、老後に備えた男

朝刊の訃報欄に目を通すことが日課になっていた。

これが、この男にとって重要な仕事の第一歩なのだ。

ここ最近、訃報欄の内容は良いものとは言えなかったが、
今日は違っていた。


  ほぅ…、大島△△か…。
  喪主は確か、会社役員だったな…。

男は慌ただしく新聞を畳み、大島某宅の住所、電話番号を
確かめる。

頃合いを見て、調べた電話番号に掛けてみる…と、
不在であるようだ。

家の者は全員、葬儀場に向かったに違いない!

男は、そう確信して出掛ける準備を始めた。


やがて、男は大島某の留守宅へ到着し、周囲を確かめるように
見まわしてから、侵入していった。


  チェッ!
  案外、家の中には大したものが
  ないんだなぁ…。

現金数万円に指輪…、

それらをポケットに仕舞い込んだ男は、期待していただけに
落胆も大きかった。


  仕方がねぇ…、
  今日のところはここまでだ!

外の気配に気をつけて、男は留守宅を出た。

しかし!

そこで巡回中の警察官に出くわしてしまう!


  なにしてんの~?

警察官からの職質。


  ・・・・・・・・・・・・!
  ◎◆∞■♂§★
  (ダメだ、こりゃ…)

そう…。

男は、新聞の訃報欄で葬儀を出す家をチェックして、
電話で留守を確認した上、盗みに入っていたのだ。

これまでの4ヵ月ほどで、盗みに入ったのは約30件。

その金額は1300万円。

男は、今年63歳になる。


取り調べでは、

  1日の目標は10万円でしたぁーッ。
  けど、今日は未達でしたぁーッ!

と、目標まできっちり設定していたのだ。


  老後に備えて現金を集めておこうと
  思ったんですぅ。
  あぁ~ん、でも… もう、しませぇぇん…。
    
と、将来を考えてのことだったのだ。

訃報欄を情報源として、葬儀で外出していることを
確かめた上での空き巣!


  ふ~ん、そうなの…。
  アンタの空き巣ってさぁ、
  ちょっとしたアイデアだね。
  それに周到だしね。

と、さすがに警察官は、そんな感心をしませんでしたが。。。

コレ、実際にあった事件を一部、脚色したものです。
にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ
にほんブログ村
タグ:葬儀 現金
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました