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先を見る人、足元を見る人

某大手企業では、毎年、課長から部長に昇格するために、
東京の本社で昇格試験が行われます。

全国の支社、海外の支部、さらに、グループ会社から毎年
100名ほどが受験することになるそうです。

が…

最近、受験を辞退する社員が増えてきているとのことで。。。

ちなみに、この大企業では、同期入社の約5割が課長級に
昇任するのに対し、部長級は2割に達しないほどらしいです。

報酬の面においても、課長と部長では大きく異なるとのこと
です。

その他、社内での権限、社会的ステイタスも大きな差が
出るようです。

にもかかわらず…

受験を辞退してしまう…

部長になるメリットより、課長のままの方がイイと…

大企業の部長と言うポストに魅力を感じないと。。。

このことは、この企業だけでなく、日本全体のビジネスに
とって、今後、大きな損害をもたらすことになるのでは
ないかと思うんです。

優秀なビジネスリーダーが不足して行くからです。

人、物、金を使って、事業を推進、牽引することができる
リーダーが足りなくなれば、当り前ですが、停滞、衰弱して
行きます。

昇格試験を辞退すると言うことは、ビジネスリーダーへの
道を自ら閉ざす行為だと思うんです。

では、どうして辞退するのか・・?

その前に、日本の企業の場合、一度、管理職に昇格すると、
余程のことがない限り降格することはありません。

でも、そうなりますと、管理職だらけになっちゃいます。。。

で、、人件費が、やたら膨れ上がっちゃいます。。。

それを避けるため、多くの企業は、例えば50代後半で管理職から
外すと言う「役職定年」を導入しているようです。

これは、つまり・・

日本の企業では、40歳前後で課長に昇格したら、15年間ほど
安定的な身分が保障されることになります。

大手企業でしたら、課長級でも年収1000万円は得られるみたい
なので、地価、物価が比較的安い地方で暮らす分には、全然、
余裕なわけです。

仮に部長になって、報酬と権限が大きく増えても、事業とか
部門の運営者としての責任と苦労も、格段に大きくなります。

課長であれば、上層部の指示に従い、部下を的確に管理して
いれば、少々のミスはあっても責任を追及されるまでには
至りません。

それだけ部長と課長の仕事の難易度には、大きな差が開いている
と言うわけです。

だったら…

  勤められるだけ課長やってた方が、
  苦労も少ないし、会社から無理な
  責任を背負わされずに済むし、それに、
  今だって給料も悪くないし、それで平穏に
  暮らして行けるのなら、昇格する必要なんか
  ない。。。

って考えるのも仕方のないことかも知れません。

今から30年、40年前辺り・・

メイド・イン・ジャパンと言うズバ抜けたブランドが世界を
席捲しました。

欧米の優れた企業、ブランドが舌を巻くほどの勢いだったと
言われた時代・・

その時代には、まだまだ、

  よっしゃ!
  オレがやってやる!

  ここらで一丁、気張って
  みるか!

そんな熱い意気込みで、グイグイと事業を引っ張っていく
人たちは多かったようです。

なので、部長を目指し、取締役の椅子を狙う野心家も多かった
と思います。

そんな気質、気迫が薄れ、平穏無事、無理せず、そこそこゆとり
ある暮らしができりゃ、それでイイや…

そう言う人が増えてきたみたいで、それに伴って…

メイド・イン・ジャパンと言うブランドは、30年、40年前に
比べると、随分減っちゃった感じがします。。。

このまま続けば…

さらに優秀なビジネスリーダーが減り続ければ…

日本全体が縮小していくことになるでしょうね。。。

でも、まぁ…

これが時代の変化と言ってしまえば、それまでかも知れないです。

幸せと感じるコトは、人それぞれ・・

デカい仕事を次々と請けて、立身出世と膨大な報酬を狙う野心家・・

そこそこの報酬で構わないから、自分に合った生活を大切に
したいという平穏主義・・

まぁ、零細企業に勤める僕が、エラそうに言える立場じゃない
ですけど・・

先を見る人、足元を見る人・・

この比率が、日本の企業の将来を変えていくと言えるんじゃ
ないでしょうか?
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