平和と大金…密航ビジネス

密航ビジネスという闇の仕事があるそうで…。

この国の話ではありません。

情勢が不安定な北アフリカや中東から、地中海を渡って
欧州へ不法に移民させるビジネスのことらしいです。

3、4年前のシリア内戦、エジプト革命による大混乱。

昨夏ではイスラエルのパレスチナ・ガザ地区攻撃による被害。

これらによって酷い打撃を受けた人たちは、欧州へ難民と
して渡ろうとするわけです。

密航料は、日本円にして約30万円から60万円。

ちなみに、エジプト庶民の平均世帯年収は約40万円。

こうして見ると、この密航が実に高額なものであるかが
わかります。

それでも北アフリカや中東の人たちは、欧州を目指します。

自由と平和を手にしたいから。

昨年は、20万人以上が渡航したそうです。

しかし、そのうち3400人以上の人が死亡しました。

密航ビジネスで暗躍するブローカーは、定員150人の船に
400人ほど乗せて出航させるそうで、しかも密航船は、たいてい
老朽化している船を安く手に入れて使うとかで、転覆したり、
遭難する確率が高いようです。

10回の密航のうち、1回は沈没すると言われています…。

そんな危険を冒してまで移民したい！

一方、ブローカーは密航1回当たり、およそ1億円以上の売上を
作ることができ、その儲けは大きいです。

移民しようとする人たちも、密航ビジネスのブローカーも、互いに

　　危険は承知の上！

ってわけです。

恐怖に怯え、心から自由と平和を求める人たち。

不法と知りながら大金を手に入れたい人たち。

この両者によって成立するのが密航ビジネスです。

こういう話を聞くと、僕はいつも思うんです。

不法に移民する人たちも、不法に移民させる人たちも、一概に
「悪」と決めつけられない気がします。

平和と大金…

互いの極めて強い欲求。

　　こんなところに居たら、
　　いつ殺されるかわからない！

そんな思いをしている人たちに、

　　金さえ用意すれば、
　　ここから出してやる

そう言われれば、神にすがる思いになるんじゃないですか？

それに詐欺じゃありませんし…

ちゃんと渡航させてますから。

不法だから悪いことだ！と言うのもわかりますが、僕は
密航ビジネスに関わる「必死の思い」の重さを考えると、
やっぱり「悪」とは思えないんです。

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タグ：密航ビジネス 平和 自由