笹やん 現場主義
この前の木曜日から、回転寿司のチェーン店の納品店舗数が
いきなり増えたらしく、バイト先の冷凍食品センターでは、
仕分け作業のスペースが一気に手狭になってしまったようです。
これまでは18店舗に納めるため、カゴ車を18台配置するスペースが
あればよかったのですが、今日、来てみると倍以上の40店舗に
納品しなければならなくなったそうで、カゴ車を40台配置する
スペースが確保しきれない状況です。
なんで、いきなり22店舗も増えたのか…？
これは、他エリアの店舗にも、ここのセンターが納品することに
なったということのようで、2ヵ月ほど前から決まっていたとの
ことです。
それなのに、スペースを確保するための準備、調整を笹やんが
怠っていたため、今、こうして戸惑いながらカゴ車を並べ、
アタフタしつつ商品を仕分けているわけです。
回転寿司ということで、納める商品は寿司ネタが中心です。
冷凍のマグロ、ハマチ、サーモン、鯛、ヒラメ、アジ、エビ、
カニ、ホタテ…、
イカ、タコ、玉子焼き、それにハンバーグや唐揚げまで…、
あとアイスクリームとかシャーベットまで。
とにかく種類が細かく、仕分には人手が要ります。
そのためスペースに余裕がないと効率が悪くなり、作業が遅れて
しまいます。
だから今年のはじめから言っとるだろっ！
40店舗に増えるから、倍以上のスペースを
確保するように調整しとけって！
オレが何回も言っとるにも拘わらず、
オマエ、ハイハイって気のなさそうな
返事ばかりしやがって！
なぁ？
それでこういうコトになるんだゾ！
昨日なんか、どれだけ時間掛かったと思っとる？
なぁ？
3時間半やぞ！3時間半っ！！
今まで18店舗で、6人体制で仕分けて商品が多い時でも
1時間も掛からンかっただろ！
倍以上の店舗になるからと言うんで頭数増やして
11人にしたんやぞ！
それなら普通、2時間あれば仕分できるやろ！
なぁ？
慌てて仕分ミスをしないように頭数増やして、
しかもスペースも充分に確保して、これまで通りの
ペースで作業しろって言ったにも拘わらず、
オマエ、全然スペース確保しとらんから、
こうなるんやぞ！
なぁ？
ひとつの作業の遅れが全体の遅れになるって
前々から言っとるやろ！
大幅な遅れは取り返しがつかなくなるから
気をつけろって言っとるにも拘わらず、
全然、オマエ…、なぁ？
時間のこと頭にないやろ！
なぁ？
カゴ車が、ぎっしり詰まった息苦しくなりそうな作業場で
センター長が懇々と笹やんに説教しています。。。
センター長の“にも拘わらず攻撃”に加え“なぁ？なぁ？攻撃”
を連打され、苦笑いしながら、ただ頷いているだけの笹やん。。。
ここの回転寿司の仕分する時間は、
別の納品先2件と重なるから、
どこかの納品先の仕分時間を繰り上げるか、
繰り下げるか…、そういう工夫をしろって
言ったにも拘わらず、今までと変わらない
やり方でやろうとするから遅れるんやぞ！
なぁ？
なんでそういう基本的なコトがわからんのや！
なぁ？
この先、どーするつもりなんや！？
まさか、このままでイイと思っとるんや
ないだろうな？
そう言われ、笹やんは口を開いて、こう答えました。
もともと一気に22店舗も増えるのが
間違いじゃんねぇ。
M屋の17店舗とKの30店舗、
それと寿司屋の18店舗の合計65店舗分で
スペースはいっぱいいっぱいなのに…、
そんな所へ22店舗分のスペースなんて
作れるわけないじゃんねぇ
M屋、Kというのが同時間帯に商品の仕分作業を行う納品先で、
中でもM屋の方は納品量が多く、カゴ車が1店舗当たり2台、
時には3台になることもあります。
そんな笹やんの言葉を聞いて、目をテンにしたセンター長…。
オマエ、今さら何を言っとるんだ。
何が22店舗増えるのが間違いだ！
間違いもヘッタくれもあるかっ！
他の2県の店舗が合わせて22店舗になるぞって
正月明けから言っとるにも拘わらず、
何を今さら…、間違えって何や！？
なぁ？
それと65店舗分でいっぱいいっぱいだから
Kの方を繰り上げて仕分しろってオレが
アドバイスしたやろ？
なぁ？
オレがアドバイスしとるにも拘わらず、
オマエ、ヘラヘラしながら聞き流しやがって！
これに笹やん、やや目を吊り上げて、
別に聞き流したわけじゃ…。
作業人数の問題もあるし、
いきなり店舗数増えても、
作業する人員増やさないと、
スペースだけの問題じゃないんで…
モジモジしながら言うと、
オマエ、何トンチンカンなこと
言っとるんや？
人員の問題なら先週から新しく10人の
バイト入れたやろっ！
それにシフト調整も出来てるから、今、
この時間帯もバイト数は増えとるやないか！
なぁ？
人の問題は対応できとるんやぞ！
なぁ？
問題はオマエの怠慢による作業スペースの確保が
未だにできてないことやぞ！
わかっとるンか？
なぁ？
センター長は歯をむき出し、ツバを飛ばしながら笹やんに
吠えつくように言いました。
笹やん、目をショボつかせ、口を尖らせるようにして言い返します。
今だけですよ。頭数が揃ったのは…。
昨日なんか、予定の人数が揃わず、
結局、オレを含めて7人でやったんスよ！
だから時間掛かったんスよ！
オマエ、何、エラそうに言い訳しとるんや！
配員の管理もオマエの仕事だろ！
それを単にオマエは怠っとるだけやろ！
ベースの人員数に不足はないンやぞ！
なぁ？
あとはオマエが何時から何時までに誰を出勤させるか…、
そういう基本的な配員管理を常に組んでおくように
することで作業効率とコスト管理の両面を
高めることになる…って、オレ、何回も何回も
言っとるやろ！
にも拘わらず、オマエ、行き当たりバッタリの
配員組みやがって！
適当過ぎるンや！オマエの管理は…！
って言うか、オマエ、最初から管理しとらんのやぞ！
そういう自覚すらないやろ？
なぁ？
クドいほどオマエに言っとるけど、庫内作業は
人と時間と作業スペースの3つをいかに
整えられるかによって大きな差が出てくるンやぞ！
このことがコストに響いてくるンやぞ！
それを何回も言っとるにも拘わらず、全く
進歩しとらんやないかっ！
進歩どころか、後退しとるわっ！オマエの場合。
なぁ？そうやろ？
センター長の顔からは、まるで湯気が立ってきそうなほど真っ赤に
なっています。
一方、笹やんは相変わらず苦々しい笑いを浮かべたまま、
身体をモジモジさせているだけ。。。
って言うより、オレの担当は
やたら納品先軒数が多くて、
物量も多くなるんで、そんな配員管理とか
スペースなんて整えろって言うのが
ムリじゃんねぇ…
アホっ！
オマエ、今になって何、ワケの
わからんこと言い出すんや。
確かに軒数が他の社員より多くて、
その分、物量も多くなるけど、
オマエだけ飛び抜けて多いわけやないンやぞ！
物量の点から言えば、オマエよりナカガワの方が
多いンやぞ！
ナカガワを見てみろ！
アイツの下で作業するバイト人数は
オマエに比べると1日あたり5人ぐらい
少ないンやぞ！
なぁ？
それでも予定の時間内に作業を終了させとるやろ。
なぁ？
何でそういうコトができるか…、
なぁ？
オマエ、そういうコト考えたことあるか？
アイツの場合、仕分しやすいようにカゴ車の
配置に工夫したり、前準備の段階で商品だって
カゴ車に載せる順番に合わせて出庫するように
しとるンやぞ！
それが工夫っちゅーもんやぞ！
なぁ？
こういうコトの積み重ねが効率を高めて、
コストを抑えることにつながっていくンやぞ！
それをオマエ、何や！
オマエの言っとることは真逆や！
納品軒数が多く、物量も多ければ多いほど
配員管理とスペース調整が重要になってくるンやろ！？
それを何がムリや！
そんなコト言ったって、ナカガワの納品先は
ケース単位の仕分で済むところばっかなんで、
作業時間も人手も掛からなくて当り前じゃんねぇ。
オレのところはバラ単位の仕分も多いし、
商品のアイテム自体も多いしで、アイツと
比べられても意味ないじゃんねぇ。
オマエ、何、開き直っとるんや！
何が意味ないやっ！
なぁ？
オマエ、自分で言っとることが、
自分の首絞めとるンやぞ。
それすらわからんのか！？
なぁ？
軒数多い、物量多い、バラ仕分もアリの、
アイテムも多い…、
そういう状態だからこそ、管理の重要性が
問われるンやぞ！
オマエの言うことは、難しいコトは放りっぱなしで、
何も考えていません…って言っとるようなモンやぞ！
なぁ？
社員1人1人が作業管理をすることが、ここの
センターの基礎的なルールやぞって、
オレが何回も言っとるにも拘わらず、
オマエ、今の今まで何聞いとったんや？
作業管理のできんヤツは社員じゃない！
バイトと同じやぞ！
この頃になると、センター長も疲れてきたのか、それとも
呆れ果ててしまったか、声は大きいものの、あまり熱が
こもっていません。。。
作業管理って言いますが、現場の仕事は
理屈じゃないじゃんねぇ。
口で言ったことと現場で起きて
いることは別物じゃんねぇ。
と、笹やん、妙に悟ったような表情で言い返しました。
それを聞いてセンター長は、明らかに呆けたような、ポケ～っと
した顔つきになり、今にも口の端からヨダレを垂らしそうな
感じで、
オマエ…、なぁ？
そう言って、しばらく間が空いて、
事件は現場で起きてるンだ！
ってか？
それで何や？
何が言いたいンや？
なぁ？
オレ、理屈で管理しろなんて一言も
言ってねーぞ！
日々の現場の仕事をしっかり把握して、
どうすれば効率を高められるか、
どうするとコストを抑えられるか、
そのためには、配員に問題はないか、
作業時間を調整できないか、スペース配分は
適切か…、
そういうことを考え、検証しながらレベルを
上げていく…、
なぁ？
それが管理やぞ！
誰が口先だけで管理できるなんて言った。
現場を見た上で、考えて、考えたことを
実行してみて、検証しながら、さらに
イイ方向へと導いて行くことが管理やぞ！
理屈もヘッタくれもあるか！
現場重視、現場主義の目線に立った上で、
正しい管理ができるンやぞ！…って、これも
何回言ったことか…。
今度は、一語一語、噛み砕くようにしてセンター長が
笹やんに、そう言いました。
すると笹やん、
オレは現場主義です！
現場だけが全てです！
いきなり大きな、しかも爽快な声で、はっきりと言い放ちました。
････････････
････････････？
これにはセンター長のみならず、作業しながら聞いていた
僕らバイトにも意味不明の言葉として受け取られたようで、
しばし沈黙の時が流れました。
やがて、センター長が、さらに呆けたような顔で、うつろな
目をしながら、
笹○…。
オマエ、頭の中、どーなっとるンや？
脳ミソ詰まっとるか？
なぁ？
オマエの頭ン中、空っぽやろ？
風が吹いとるやろ？
なぁ？
そう言われても笹やん、動じる様子もなく、今では苦笑いから
爽快な表情に変わっていました…。
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いきなり増えたらしく、バイト先の冷凍食品センターでは、
仕分け作業のスペースが一気に手狭になってしまったようです。
これまでは18店舗に納めるため、カゴ車を18台配置するスペースが
あればよかったのですが、今日、来てみると倍以上の40店舗に
納品しなければならなくなったそうで、カゴ車を40台配置する
スペースが確保しきれない状況です。
なんで、いきなり22店舗も増えたのか…？
これは、他エリアの店舗にも、ここのセンターが納品することに
なったということのようで、2ヵ月ほど前から決まっていたとの
ことです。
それなのに、スペースを確保するための準備、調整を笹やんが
怠っていたため、今、こうして戸惑いながらカゴ車を並べ、
アタフタしつつ商品を仕分けているわけです。
回転寿司ということで、納める商品は寿司ネタが中心です。
冷凍のマグロ、ハマチ、サーモン、鯛、ヒラメ、アジ、エビ、
カニ、ホタテ…、
イカ、タコ、玉子焼き、それにハンバーグや唐揚げまで…、
あとアイスクリームとかシャーベットまで。
とにかく種類が細かく、仕分には人手が要ります。
そのためスペースに余裕がないと効率が悪くなり、作業が遅れて
しまいます。
だから今年のはじめから言っとるだろっ！
40店舗に増えるから、倍以上のスペースを
確保するように調整しとけって！
オレが何回も言っとるにも拘わらず、
オマエ、ハイハイって気のなさそうな
返事ばかりしやがって！
なぁ？
それでこういうコトになるんだゾ！
昨日なんか、どれだけ時間掛かったと思っとる？
なぁ？
3時間半やぞ！3時間半っ！！
今まで18店舗で、6人体制で仕分けて商品が多い時でも
1時間も掛からンかっただろ！
倍以上の店舗になるからと言うんで頭数増やして
11人にしたんやぞ！
それなら普通、2時間あれば仕分できるやろ！
なぁ？
慌てて仕分ミスをしないように頭数増やして、
しかもスペースも充分に確保して、これまで通りの
ペースで作業しろって言ったにも拘わらず、
オマエ、全然スペース確保しとらんから、
こうなるんやぞ！
なぁ？
ひとつの作業の遅れが全体の遅れになるって
前々から言っとるやろ！
大幅な遅れは取り返しがつかなくなるから
気をつけろって言っとるにも拘わらず、
全然、オマエ…、なぁ？
時間のこと頭にないやろ！
なぁ？
カゴ車が、ぎっしり詰まった息苦しくなりそうな作業場で
センター長が懇々と笹やんに説教しています。。。
センター長の“にも拘わらず攻撃”に加え“なぁ？なぁ？攻撃”
を連打され、苦笑いしながら、ただ頷いているだけの笹やん。。。
ここの回転寿司の仕分する時間は、
別の納品先2件と重なるから、
どこかの納品先の仕分時間を繰り上げるか、
繰り下げるか…、そういう工夫をしろって
言ったにも拘わらず、今までと変わらない
やり方でやろうとするから遅れるんやぞ！
なぁ？
なんでそういう基本的なコトがわからんのや！
なぁ？
この先、どーするつもりなんや！？
まさか、このままでイイと思っとるんや
ないだろうな？
そう言われ、笹やんは口を開いて、こう答えました。
もともと一気に22店舗も増えるのが
間違いじゃんねぇ。
M屋の17店舗とKの30店舗、
それと寿司屋の18店舗の合計65店舗分で
スペースはいっぱいいっぱいなのに…、
そんな所へ22店舗分のスペースなんて
作れるわけないじゃんねぇ
M屋、Kというのが同時間帯に商品の仕分作業を行う納品先で、
中でもM屋の方は納品量が多く、カゴ車が1店舗当たり2台、
時には3台になることもあります。
そんな笹やんの言葉を聞いて、目をテンにしたセンター長…。
オマエ、今さら何を言っとるんだ。
何が22店舗増えるのが間違いだ！
間違いもヘッタくれもあるかっ！
他の2県の店舗が合わせて22店舗になるぞって
正月明けから言っとるにも拘わらず、
何を今さら…、間違えって何や！？
なぁ？
それと65店舗分でいっぱいいっぱいだから
Kの方を繰り上げて仕分しろってオレが
アドバイスしたやろ？
なぁ？
オレがアドバイスしとるにも拘わらず、
オマエ、ヘラヘラしながら聞き流しやがって！
これに笹やん、やや目を吊り上げて、
別に聞き流したわけじゃ…。
作業人数の問題もあるし、
いきなり店舗数増えても、
作業する人員増やさないと、
スペースだけの問題じゃないんで…
モジモジしながら言うと、
オマエ、何トンチンカンなこと
言っとるんや？
人員の問題なら先週から新しく10人の
バイト入れたやろっ！
それにシフト調整も出来てるから、今、
この時間帯もバイト数は増えとるやないか！
なぁ？
人の問題は対応できとるんやぞ！
なぁ？
問題はオマエの怠慢による作業スペースの確保が
未だにできてないことやぞ！
わかっとるンか？
なぁ？
センター長は歯をむき出し、ツバを飛ばしながら笹やんに
吠えつくように言いました。
笹やん、目をショボつかせ、口を尖らせるようにして言い返します。
今だけですよ。頭数が揃ったのは…。
昨日なんか、予定の人数が揃わず、
結局、オレを含めて7人でやったんスよ！
だから時間掛かったんスよ！
オマエ、何、エラそうに言い訳しとるんや！
配員の管理もオマエの仕事だろ！
それを単にオマエは怠っとるだけやろ！
ベースの人員数に不足はないンやぞ！
なぁ？
あとはオマエが何時から何時までに誰を出勤させるか…、
そういう基本的な配員管理を常に組んでおくように
することで作業効率とコスト管理の両面を
高めることになる…って、オレ、何回も何回も
言っとるやろ！
にも拘わらず、オマエ、行き当たりバッタリの
配員組みやがって！
適当過ぎるンや！オマエの管理は…！
って言うか、オマエ、最初から管理しとらんのやぞ！
そういう自覚すらないやろ？
なぁ？
クドいほどオマエに言っとるけど、庫内作業は
人と時間と作業スペースの3つをいかに
整えられるかによって大きな差が出てくるンやぞ！
このことがコストに響いてくるンやぞ！
それを何回も言っとるにも拘わらず、全く
進歩しとらんやないかっ！
進歩どころか、後退しとるわっ！オマエの場合。
なぁ？そうやろ？
センター長の顔からは、まるで湯気が立ってきそうなほど真っ赤に
なっています。
一方、笹やんは相変わらず苦々しい笑いを浮かべたまま、
身体をモジモジさせているだけ。。。
って言うより、オレの担当は
やたら納品先軒数が多くて、
物量も多くなるんで、そんな配員管理とか
スペースなんて整えろって言うのが
ムリじゃんねぇ…
アホっ！
オマエ、今になって何、ワケの
わからんこと言い出すんや。
確かに軒数が他の社員より多くて、
その分、物量も多くなるけど、
オマエだけ飛び抜けて多いわけやないンやぞ！
物量の点から言えば、オマエよりナカガワの方が
多いンやぞ！
ナカガワを見てみろ！
アイツの下で作業するバイト人数は
オマエに比べると1日あたり5人ぐらい
少ないンやぞ！
なぁ？
それでも予定の時間内に作業を終了させとるやろ。
なぁ？
何でそういうコトができるか…、
なぁ？
オマエ、そういうコト考えたことあるか？
アイツの場合、仕分しやすいようにカゴ車の
配置に工夫したり、前準備の段階で商品だって
カゴ車に載せる順番に合わせて出庫するように
しとるンやぞ！
それが工夫っちゅーもんやぞ！
なぁ？
こういうコトの積み重ねが効率を高めて、
コストを抑えることにつながっていくンやぞ！
それをオマエ、何や！
オマエの言っとることは真逆や！
納品軒数が多く、物量も多ければ多いほど
配員管理とスペース調整が重要になってくるンやろ！？
それを何がムリや！
そんなコト言ったって、ナカガワの納品先は
ケース単位の仕分で済むところばっかなんで、
作業時間も人手も掛からなくて当り前じゃんねぇ。
オレのところはバラ単位の仕分も多いし、
商品のアイテム自体も多いしで、アイツと
比べられても意味ないじゃんねぇ。
オマエ、何、開き直っとるんや！
何が意味ないやっ！
なぁ？
オマエ、自分で言っとることが、
自分の首絞めとるンやぞ。
それすらわからんのか！？
なぁ？
軒数多い、物量多い、バラ仕分もアリの、
アイテムも多い…、
そういう状態だからこそ、管理の重要性が
問われるンやぞ！
オマエの言うことは、難しいコトは放りっぱなしで、
何も考えていません…って言っとるようなモンやぞ！
なぁ？
社員1人1人が作業管理をすることが、ここの
センターの基礎的なルールやぞって、
オレが何回も言っとるにも拘わらず、
オマエ、今の今まで何聞いとったんや？
作業管理のできんヤツは社員じゃない！
バイトと同じやぞ！
この頃になると、センター長も疲れてきたのか、それとも
呆れ果ててしまったか、声は大きいものの、あまり熱が
こもっていません。。。
作業管理って言いますが、現場の仕事は
理屈じゃないじゃんねぇ。
口で言ったことと現場で起きて
いることは別物じゃんねぇ。
と、笹やん、妙に悟ったような表情で言い返しました。
それを聞いてセンター長は、明らかに呆けたような、ポケ～っと
した顔つきになり、今にも口の端からヨダレを垂らしそうな
感じで、
オマエ…、なぁ？
そう言って、しばらく間が空いて、
事件は現場で起きてるンだ！
ってか？
それで何や？
何が言いたいンや？
なぁ？
オレ、理屈で管理しろなんて一言も
言ってねーぞ！
日々の現場の仕事をしっかり把握して、
どうすれば効率を高められるか、
どうするとコストを抑えられるか、
そのためには、配員に問題はないか、
作業時間を調整できないか、スペース配分は
適切か…、
そういうことを考え、検証しながらレベルを
上げていく…、
なぁ？
それが管理やぞ！
誰が口先だけで管理できるなんて言った。
現場を見た上で、考えて、考えたことを
実行してみて、検証しながら、さらに
イイ方向へと導いて行くことが管理やぞ！
理屈もヘッタくれもあるか！
現場重視、現場主義の目線に立った上で、
正しい管理ができるンやぞ！…って、これも
何回言ったことか…。
今度は、一語一語、噛み砕くようにしてセンター長が
笹やんに、そう言いました。
すると笹やん、
オレは現場主義です！
現場だけが全てです！
いきなり大きな、しかも爽快な声で、はっきりと言い放ちました。
････････････
････････････？
これにはセンター長のみならず、作業しながら聞いていた
僕らバイトにも意味不明の言葉として受け取られたようで、
しばし沈黙の時が流れました。
やがて、センター長が、さらに呆けたような顔で、うつろな
目をしながら、
笹○…。
オマエ、頭の中、どーなっとるンや？
脳ミソ詰まっとるか？
なぁ？
オマエの頭ン中、空っぽやろ？
風が吹いとるやろ？
なぁ？
そう言われても笹やん、動じる様子もなく、今では苦笑いから
爽快な表情に変わっていました…。
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