ラーメンの原型

年季の入ったラーメン屋さん…

車で走っていたら間違いなく見逃してしまうような、
道路沿いに3軒並んでいる中で最も目立たない、小さくて
古めかしいラーメン屋さん。

　　ココって、営業してンの…？

って思うほど、さびれた感じのお店…。

そんなお店が僕は好きなんです。

　　ええっ？！
　　こんなトコロで食うのやめよーぜ！
　　もっとキレイな店、行こうよ！

って言われるようなお店が僕は好きです。

そんなお店は、案外、旨くて安くて、量も多い…



･････と思って入ってみたら、量は普通でした。。。

値段も580円…というわけで、僕的には、80円の予算オーバー。。。

でも、味は良かったです！

その前に、このラーメン、とてもシンプルですよね！

ストレートの細麺。

スープはしょうゆ味。

1枚のチャーシュー。

数本のメンマ。

一切れのナルト。

それと、散らばっている刻みねぎ。


　　ラーメン、ください…

僕は店に入って、スタンダードなラーメンを注文し、

　　ハーイ！　　
　　お待ちどう！

って、お店のオヤジさんが、カウンター越しに置いてくれた
ラーメンを見て、思わず僕は鼻から太い息を、フウ～～って
もらしてしまいました。

とてもイイ匂いだったからです。

何だか、懐かしいような匂い。

そして、このシンプルな様相！

　　こういうラーメンは
　　レンゲを使っちゃいけないナ…

僕は、ラーメン丼のフチに添えられているレンゲを敢えて使わず、
スープを飲むときも、両手で丼を持ち上げ、ゆっくりと口を
丼のフチにつけて、少しずつ啜り込みました。

そうした方が旨さが引き立つと思うからです。

見た目も、味も、まさにラーメンの原型です！

今日、2013年3月28日ですが…、

1963年3月28日…50年前のラーメンが、今、ここに…

ここに、僕の口の中に入っていくような…、何だか…
よく分からないかも知れませんけど、たぶん、コレが、
このラーメンが、日本のラーメンの原型じゃないか！…って、
そんな気がしてなりませんでした！

飾り気がなくて…、だからこそ旨いです！

のめり込む旨さ！

飽きない旨さ！

いつまでも旨いと思える旨さ！

過去も現在も未来も超越した、時空を超えた旨さ！

そう！

永遠に旨いと思える旨さ！


････････

食べ終わっても、僕はしばらくの間、感動で胸の中が
いっぱいになって、カウンターの前でジッと両肘を
ついたままの姿勢で動けませんでした。

　　飾らない原型のままの姿こそ
　　永遠に認められるモノだ！

僕は、このラーメンから、そんなコトを学んだのです。

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タグ：ラーメン