アートギャラリーの珍事件

これは昨年の暮れに、ロンドンで起きた珍事件です。

警察署に通報がありまして･･

　　ソーホー地区のアートギャラリーが
　　何か危険な状態になっている！
　　女性が倒れていて、意識がない
　　みたいなんです！

それは大変！と、警察官は現場へ急行しました。

そのアートギャラリーは、もう入口が閉まっていましたが、駆けつけた警察官が
中の様子を窺うと、確かにデスクの上に女性が倒れているようでした。

一体、何が起こったのか！？

とりあえず、倒れている女性を救うため、2人の警察官は強行突破することに･･

そして、ドアを壊して中に入ると･･

デスクの上に倒れていたのは人ではなくマネキン人形で･･

唖然とする警察官たちの背後から、

　　何事ですか？
　　何があったのです？

上品そうな身なりの、このギャラリーの館長が尋ねました。

　　･･･････････
　　･･････････

2人の警察官は互いに顔を見合わせてから、バツが悪そうに館長の方へ
顔を向けました。

　　おやおや！
　　ドアが…

館長は、壊されたドアを見て驚きました。

その時、後続の警察官数名が到着し、館内へ入ってきました。

当惑したように館長は、後続の警察官たちに向かって、

　　閉館時刻になったので、入口のドアに
　　鍵を掛けて、私は上の階へ上がり、
　　紅茶を飲んでいました。
　　何やら物音が聞こえたので、降りて
　　来てみると、この通りで･･

実は、このアートギャラリーではストリートアーティストであるバンクシーの
元エージェントの作品を展示中で･･

デスク上のマネキン人形も、アートインスタレーション作品だったそうで･･

ちなみに、そのマネキン人形にはクリスティーと言う名前まであって･･

　　大変お騒がせしてしまい、
　　申し訳ありませんでした。。。

警察官たちは、館長に丁寧に謝りました。

それにしても…

誰が通報したのか…

バンクシーじゃねーだろーな。。

詳しいことはわからずじまい…

英国人は強烈なジョークを好むと聞いたことありますけど、この珍事件も
そのひとつだったんですかねぇ。。。

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