空手家に殴られた救急隊員のお話

待つ身が辛いか、待たせる身が辛いか…

人の世は、いろいろと待つこと、待たせることがある
ものです。

デートの約束で待ったり、待たせたり…

出前のラーメンを待ったり、待たせたり…

借金の返済を待ったり、待たせたり…

ま…、これぐらいは日常茶飯事かも知れませんが、例えば
119番通報をして救急車を待ったり…ってのは、そう何回も
あるものじゃございません。


ある50歳になる男、少年時代から空手を習い、今では道場を
経営しているとか…

空手の経験は長いが、気が短いのが欠点で、ある日、男の
娘さんが急に体調を崩したそうで、慌てて119番に通報しま
した。

ところが、待てど暮らせど救急車は来ない。。。

気が短い人と言いますのは、総じてせっかちなものでして、
この男も、なかなか来てくれない救急車を待つうちに
イライラしてきまして…

とは言いましても、救急隊の方としましては、別にゆっくり
しているのではなく、迅速に出動の手続きを取り、通報先に
向おうとしているわけですが…

せっかちな男にとっては、待たされることが我慢できずに、
娘を自家用車に乗せて、消防本部へ向かって行きました。

･･･って、何で？

フツーなら病院へ向かって行くんじゃないの？

とにかく娘を乗せて、男の自家用車は消防本部に着きました。

そして、着いた途端、男は救急隊員のひとりの胸ぐらをつかみ、

　　何で早くけえへんねん！？

と、怒鳴ったかと思いきや、

　　バコッ！

　　　ボコッ！

続けざまに、その救急隊員を殴りつけました！

さあ、こうなりますともう…

たちまち男は、公務執行妨害、ならびに傷害容疑で逮捕される
ハメに…

ところで、男の娘さんの容態はと言いますと…

別にどうってコトなかったそうですヨ。

慌てて救急車を呼ぶほどのモンじゃなく、少し横にでもなって
いれば体調も良くなっていっただろうと言う程度だったそうで。。。

それをせっかちな男は、119番通報して、やれ来るのが遅いからと
殴り込みに行く始末…。

さて…

殴られた救急隊員は、同僚から手当を受けながら、

　　イテテ！
　　それにしても、とんだ手土産を
　　食らったなぁ

頬に手をやり、コボしています。

同情しながらも、手当をする同僚が尋ねました。

　　ところで、殴り込んできた男は
　　何をやってる人なの？


　　何でも、空手の道場を経営して
　　いるそうだよ

殴られた救急隊員が答えますと、同僚はこう言ったそうで、

　　そりゃヘンだな…
　　だったら手ブラで来るはずなのに…

おあとがよろしいようで。。。

（大阪府の事件を一部脚色しました）

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タグ：空手 救急隊員