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女子高生を転落させたトビ職人のお話

毎度バカバカしいお話で…

火事と喧嘩は江戸の華…、なんて言葉がございますが、
さほど広くない土地に、ぎっしりと長屋が建ち並ぶ
江戸の町で火災が起こりますと、これは大変なコトに
なりまして…

あっと言う間に隣、近所へと燃え移ってしまいます。

そうなってはいけませんから、当時の消火活動と言えば
燃え移りそうな家々を手早く解体することだったとも
言われております。

こうして少しでも延焼を防いだわけですが、家を解体する
と申しましても、一般の町民たちが、

  よっしゃ!
  任せとけ!

ってな具合で、誰でも簡単に出来るモンじゃありません。

これは家屋の構造やら、掛矢、鳶口と言った道具の扱いに
熟知したトビと呼ばれる者でなくては勤まりません。

そんなわけですから、江戸の町火消にはトビの者たちが
主となって、次第にトビと火消が同義語になったという
時代もあったそうで…

現代でも消防隊の出初式ですと、トビの方々による梯子乗りの
演技が見られますね。

あれなんぞは江戸の火消文化の伝承のひとつですが、今では
トビ職人が消火活動に出ること自体、ほとんどなくなって
しまいました。

現代のトビ職と言いますと、もっぱら足場組みが主な仕事
でして、足場トビと呼ばれたりしますが、建設現場で高い所、
高い所へと上り、他の職人たちのために足場を設けていきます。

トビ職人になって1年が過ぎた19歳の若手。

彼もまた足場トビとして、現場へ出ては汗を流しております。

かれこれ半年ほど前から、16歳の女子高生と交際をしており
まして、仕事の合間になれば、

  今度の休みには、どこへ
  遊びに行こうかな

ってな感じで、デートのことなど考えております。

  これからは海へドライブってのも
  イイな!
  それとも映画でも観た後、好きな
  スイーツでもごちそうしてやるか!
  映画だったら何がイイかな?
  できればパーッと派手なのがイイやね。
  しんみりしたのはいけねぇや!
  観終わった後、黙りこくってパフェ
  食ったんじゃ面白くも何ともねぇ…
  オッと…!
  あぶねえ!

うっかりして足場から足を滑らせる始末。。。

  おい、しっかりしろ!
  自分で組んだ足場で滑る
  ヤツがあるか!

近くにいた先輩から小言をもらいながらも何とか仕事を終え、
待ちに待った休日がやってきました。

いろいろと迷いましたが、彼女と遊園地へ行くことに…

定番のジェットコースター、観覧車などに乗って、楽しく
やっていましたが、どうも彼女の様子がおかしい…。

どうしたんだ? と聞いてみると、

  実は、わたしたち…
  もう別れた方がイイと思うの…

と言い出すじゃありませんか!

これを聞いて彼は、人が変わったように怒り狂い、彼女の手を
引っぱって展望台へ連れて行きました!

  なんでオレと別れたいんだ!?
  ふざけんじゃねえ!

そう怒鳴ったかと思えば、

  オレと別れたいんなら、
  ここの柵を乗り越えてみろ!

そう言って、展望台の転落防止柵を指差しました。

この柵は高さが1.2メートル。

若い女子高生のことですから、乗り越えるのは無理じゃ
ないにしても、危ない行為です。

  オレが手を握っていてやるから、
  乗り越えてみろ!
  そうしたら別れるのを考えて
  やってもイイ!

そう言われ、彼女は恐る恐る柵を乗り越えました。

その瞬間…

握っていた手を離され、彼女は、8メートルも下の芝生へと
転落!

何とか命は助かったものの、胸部と腰の骨を折る重傷に…

彼はと言えば、当然、警察に逮捕されました。

殺人未遂の容疑で取り調べを受けることに…

  転落させたのは認めるが、
  殺すつもりはなかった…

殺意は否認しています。。。

  ところで君は、学生?
  それとも何か仕事してるの?

警察官に尋ねられ、

  トビ職です

と答える彼。

  どおりで…、
  高い所へ上りたがるわけだ

と、警察官が言ったかどうか…。

おあとがよろしいようで。。。
(群馬県の事件に基づき、一部脚色)
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