質の高い味噌を売る社長のお話

え～、毎度バカバカしいお話で…

日本の朝と言えば、ごはんに味噌汁！

これですよ！　ねえ。

炊き立てのホカホカごはんに、熱々の味噌汁。そこに
少しばかりのお漬物があれば、もうそれで充分！

昔の朝ごはんと言えば、そんなモンでしたが、今や
スッカリ様変わりしてしまいまして…

トーストとコーヒーはもう古いらしくて、パンケーキだの
グラノーラだの…

中にはウチで食べずに外で朝ごはんを摂るって人も少なく
ないようですね。

いやぁ、世の中変わったモンですなぁ～…

そういうわけですから、お味噌の売れ行きも今ひとつパッと
しないようです。

ある味噌の販売会社…

　　いいか、味噌ってのは日本人の心に
　　根付いた伝統食品だ。
　　ウチの味噌は昔ながらの製法を守り抜いて
　　丹精込めて作り上げたモノだ。
　　お客様にしっかり説明して、味噌を
　　買っていただくように

社長は従業員にそう言って、自社の味噌を一つでも多く
売って来るように指示しました。

この会社は個人宅を訪ねる訪問販売を行っておりまして、
従業員たちは、それぞれ決められた地区へ出向いていき、
一軒一軒、ご家庭を訪ねて味噌を売り込みます。

今時、訪問販売ってのはあまり歓迎されるモンじゃ
ありませんが、ここの味噌は余所の味噌とは一味違うと
評判でして、

　　あら、やっと来てくれたのね。
　　もう少ししかないから貰っておくわ

なんてお客も少なくないようです。

しかし、味噌の売れ行きも厳しい昨今…

少しでも売り上げを伸ばそうと焦る従業員も何人か
おりまして…

　　ウチはおじいさんと二人暮らしだから、
　　一番小さいサイズでいいのよ

おばあさんが言いますと、750グラムの最も小さい商品を
バッグの奥へ隠してから、

　　ハイ、それじゃコレが
　　一番小さいサイズです

そう言って2.7キロ入りの樽型の容器に入った味噌を出して、
6,800円を請求してみたり…

　　ウチの主人は味にうるさいもので、
　　最高級のお味噌をいただくわ

と、セレブな奥様のお宅を訪ねた従業員、あいにく最高級の
商品を持ち合わせておらず、

　　ハイ、でしたら…
　　こちらがおススメです

なんて、ウソをついて他の味噌を4キロ入り14,000円で
売り付けてみたり…

そんなことが度重なり、やがて消費生活センターへ苦情が
寄せられるようになりました。。。

　　あそこの味噌屋は法外な値を付けて
　　味噌を売り付ける！


　　よく見ると添加物が入っているのに、
　　無添加だと言って売り付けた！

そういうわけですから、その味噌の販売会社は特定商取引法違反
で3ヵ月の業務停止に処せられました。。。

従業員たちに、いろいろ事情を聞いたところですと…

　　販売ノルマがキツくなってきたから、
　　少しでも高くて、少しでも大きなサイズの
　　商品を買わせようとして…

そう語り、反省する者が多かったと言います。

一方、社長は…

　　きちんとお客様に説明するよう
　　従業員に指導していたが、徹底して
　　いなかった。
　　とにかくウチの味噌は他社とは
　　比べ物にならないほど質が違う！
　　値は張るが質が違うんです！
　　ウチの扱っている味噌はどれも
　　質の高いモノばかりです！

と、どこまでも手前味噌な社長だったとか。。。

おあとがよろしいようで…。
（福岡県の事件を一部脚色）

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タグ：味噌 社長