裕福なアラブ人に変装した男たちのお話

え～、一席おつきあいお願い申し上げます。

アラブと聞きますと、私なんかすぐに「お金持ち」と
連想してしまいますが、みなさんはいかがでしょう？

実際にアラブ諸国には裕福な暮らしをされている方が
多いようで…

　　よし、それならひとつ、アラブから来た
　　裕福な男になりすまして、荒稼ぎと
　　行こうじゃねえか！

ある男が、もう1人の男に言えば、

　　そりゃ面白そうだ！
　　オレも乗せてもらおうか。

その男も即座に話に乗ってきまして、

　　で…？
　　何か用意するモノはあるかい？

と尋ねますと、

　　そうだな、まずノミがいるな！
　　それと聴診器だ！

片方の男が答えます。

　　へ…？
　　ノミと聴診器だぁ？
　　何だい、裕福な男になろうってのに、
　　ノミを使って木彫りでも始める気かい？
　　それに聴診器って何だい？
　　おめえ、いつからお医者になった？


　　オレは医者でもなけりゃ、木彫りを
　　するつもりもねえよ！
　　ま、いいからオレに任せておきな！

そう言って、まずはノミと聴診器を用意させ、出掛ける先は
花の都・パリ…

パリには高級ホテルがいくつも建ち並んでおり、男は何食わぬ
顔で、その一つのホテルへ入っていき、

　　部屋のカギを失くして
　　しまったんだ…

そうフロントに告げます。

この二人の男は、いかにも裕福そうなアラブ人に変装しており、
あらかじめホテルに宿泊しているアラブ諸国の裕福な客の
部屋番号を調べてあったのです。

フロント係は、そんなこととは知らず、彼らに合鍵を渡します。

その合鍵を持って、二人の男は客室へ…

さあ、ここで聴診器の出番です！

ドアに聴診器を当てて、まず室内の様子を窺います。

部屋の中に人の気配がないと分かると、合鍵で室内に入り…

貴重品などが入っている金庫を見つけて…

今度はノミの出番です！

こいつを使って金庫を取り外し、そのままスーツケースに入れて
ホテルから立ち去っていく。。。

このやり方で、パリからニース、モナコなどの高級ホテルを
荒らしまくりましたが…

サンテティエンヌのホテルの客室で、金庫を取り外して、さあ、
部屋を出て、エレベーターに乗ろうとしたところで…

片方の男が、不審に思ったホテルの従業員に声を掛けられました。

二人は、これまでの犯行の中で、防犯カメラにも捉えられており、
その従業員は、一目見て、怪しい！と思ったそうで…

警察にも連絡を取っていたので、もう片方の男も捕まり、これにて
一件落着！

現金のほか、宝飾品に高級衣料などが押収されました。

　　チェッ！
　　おめえがエレベーターの前で、
　　ホテルの従業員につかまったのが
　　運の尽きだ…

裕福なアラブ人に変装したまま、片方の男が舌打ちして
口惜しがると、もう片方の男がこう言いました。

　　すまねえ…
　　こんな格好してたもんだから、
　　つい油を売っちまった…。

おあとがよろしいようで。。。

（フランスで発生した事件より）

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タグ：アラブ 裕福 高級ホテル