社員食堂 安いんだけど、なんだか…

社員食堂って言うところで、初めて食事をしました。

僕は日曜日に、冷凍食品の物流センターでバイトをして
おり、そこには社員食堂はありませんが、たまたま今日、
そこから車で10分ほどの距離にある冷凍倉庫へ出掛ける
ことになり、そこの食堂でお昼ごはんをいただきました。

その冷凍倉庫には、中国など海外生産された冷凍食品を
保管しているらしく、バイト先の物流センターより
大きな建物で、庫内は、まるで大通りを走る車のように
フォークリフトの通行が激しく、喧騒に包まれていました。

僕は、センターの社員で普段からとても大人しい
ノダさんが運転するトラックに乗せてきてもらいましたが、
そのトラックを荷受けホームに止めると、

　　ちょうどお昼だから、
　　ここの食堂で食べて行こう。

と言い出し、顔見知りらしい倉庫の人にあいさつして
一度庫内に入り、別の出入口から出て、スタスタと
社員食堂へと向かって行きました。

聞くと、ノダさんは去年の夏まで、ここの倉庫で
働いてたそうで、庫内の構造は熟知しているわけです。


社員食堂は3階にあり、ドアを掛けると広々とした室内に
長テーブルが整然と並んでおり、真っ白い天井と壁が
とても清潔感を演出しています。

一度に300人は余裕で収容できるほどの広さで、
あちらこちらの席で、既に食事をしている人が何人か
いました。

まず券売機で食券を買います。

ＡセットとＢセットしかなくて、Ａセットは麺類と
ごはんのセット。

Ｂセットは、おかず2品とごはん、みそ汁のセットです。

どちらも350円。

僕はノダさんと同じＢセットにしました。

食券をカウンターに置くと、厨房のおばちゃんが
元気よく、

　　ハーイ、Ｂふたつねぇ～！

と奥の方に向かって声を掛けます。

奥から、ハ～イと言う返事とともに、カチャカチャと
トレーに食器を置く音がして、カウンターの先の方へ
行き、出されたトレーを受け取り、空いている席に
着きます。

これが本日のＢセット。


おかずは、肉じゃがとマカロニサラダです。

何だか、気取ったところが全然なくて、とても家庭的です。

でも、何で僕がバイトしているセンターには社員食堂が
なくて、こっちにはあるんだろう？

そんなことをノダさんに尋ねてみると、

　　センターの方は社員が少ないから…、
　　こっちは倉庫の社員のほか、この裏にある
　　工場の人たちや配送を済ませたドライバーも
　　食べに来るから、どうだろ…、1日、200人以上は
　　利用してるんじゃないの？

とのことで、僕は改めて、この冷凍食品会社の規模って
かなり大きいんだなぁと思いました。

また、センターの社員でも、ここの食堂を利用することが
できるそうですが、わざわざ食べに来ないみたいです。

でも、毎日、350円で食べられるから経済的には
羨ましいと思いますが、一般の大衆食堂とは、
まるっきり雰囲気が違うんですね！

なんか、こう…静か過ぎるって言いますか…、
食事中も、みんな無口で黙々と食べ、食事が終わると
そそくさとトレーを戻して出て行ってしまいます。

なんだか、リラックスした感じじゃなくて、
ヘンな緊迫感があって、ゆっくり食べようと言う
気にならず、早く食べて早く出よう！って気に
なってきます。

会話するにしても、自然と声を小さくしてしまい、
打ち解けた雰囲気になりません。


ただ、厨房のおばちゃんたちの声だけが元気に響き渡って
いるだけで、妙な虚しさを感じてしまいました。。。

　　ま、アレか…、
　　350円ってのは魅力だけど、
　　なんか…、食った後、
　　胸やけしそうだな、こりゃ…。

そう思いながら、僕はトレーを静々と返却口へ戻し、
おずおずと退室していきました。。。

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タグ：社員食堂 厨房