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おばあちゃんの日替り定食

山を越え、県道を突っ走る。

午後1時15分。

僕も、Iさんも腹が減って、腹が減って、
無口になっていました。

山を越えたらコンビニの1軒ぐらいあるだろうから、
そこでおにぎりでも買って食べよう!と思っていた
のですが、さっきからコンビニが全く見えてきません。。。

今日は朝も早くから現場に出ることになっていたので、
朝ごはんも食べていません。


  おっ!!

助手席のIさんが、期待に満ちた声で叫びました。

  あそこ、あそこッ!
  アレ食堂か何かじゃない?!

遠く前方には、確かに小さな建物が見え、立て看板と
のぼりも見ることができます。

思わずアクセルを踏み込む僕。

やがて、その建物の前の、舗装されていない駐車場に
車を停めて、僕らは降り立ちました。

周りは田畑、そして雑木林…。

民家が彼方に、ぽつんと2軒見える程度の静かな
ところです。

そして、この食堂らしき建物…何か、この~、
むか~し、むかし、あるところに…って感じで、
とても小さくて古めかしい木造の建物。

のぼりには「中華そば」と記されており、立て看板には
「日替り定食500円」と書かれていました。

ガラス戸には「かき氷」「ラムネ」「だんご」「ところてん」
などと書かれた紙がペタペタ貼り付けられていました。

そもそも、このガラス戸ってのが、何とも言えず
イイもんだなぁ…と思いながら、ガラガラッと
音を立てて開け、中へと入っていきました。


  あ~い、いらっしゃ~い…

おばあちゃんの声が僕らを迎えてくれました。

お客さんが一人いて、手ぬぐいを頭にかぶせた
色の黒いおばあちゃんが、麦茶を飲んでいました。

僕らに声を掛けてくれたおばあちゃんは、どちらかと
言えば太めで、まん丸の顔がニッコリ笑いかけて
いました。

カタカタッ…と音を立てて丸椅子に腰掛け、メニューを
見ると、どうやら食事メニューは中華そばと日替り定食しか
なさそうでした。

どちらも500円。

Iさんも僕も迷うことなく日替り定食を注文。

そして、3分ほどしてから出てきたのがこちらです。
higawari1206.jpg

おかずは、豚肉と玉ねぎと長ねぎを炒めたものと、
もやし炒め。

それとコロッケがひとつ。

あとは糸こんにゃくとちくわの煮物と大根の漬物。


ごはんとみそ汁は温かかったのですが、炒め物と
コロッケと煮物、それらのおかずは全て冷めていました。

でも、空腹の僕らに文句は言えません。
食べさせてもらえるだけで充分です!

この店は、おばあちゃんが一人でやっているようで、
多分、おかずは一度にまとめて作ったのだろうと
思いました。

炒め物や煮物は、とても手作り感のある味で、
おばあちゃんのにこやかな人柄が、ほんわかと
伝わってくるようでした。

店を出て、車の中で、Iさんが言いました。

  あの店…、まさに昭和の遺産って言うか、
  重要文化財って感じだよな。
  ここを通るトラックのドライバーが
  昼めし食いに来たり、近くの農家の人たちが
  休憩に来るんだろうね。
  アノおばあちゃんも、儲けるつもりで
  やってるんじゃないんだろうね。
  ああ言う店は、大事に残していって欲しいな。

僕も同感でした。

できれば、また来て日替り定食を食べたいです。
今度は、どんなおかずを出してくれるのか、
何だか楽しみになってきました。
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タグ:日替り定食
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