笹やん 五目めし
今朝、バイト先の冷凍食品センターに来てみると…
何だか慌ただしくて、ザワザワしてて…
なんスか…？
何かあったんスか？
周りの人たちに聞いてみたところでは…
「冷凍五目めし(業務用1Kg)」という商品にプラスチック片が
混入している可能性があるとのこと！
そんな連絡をメーカーから昨夜受けて…
え！
えっ！
え…！？
え…！えっ！えっ！
ただただアタフタするだけのセンター内…。
ええ～、そ、それでですね…
それで…、私どもが責任を持って
回収させていただきますのでね…。
ハイ、自主回収って言いますか…、
ハイ！
ロットはですね…、
ええっと、ええ～っと
ロットは…、
2018.08.30です。
ハイ！
バタつくセンターへ、メーカーから、そんな連絡が入った
らしいです。
おーーっ！
そっか、そっか！
メーカーが全部やってくれるンだ☆
とりあえず胸を撫でおろしたセンターの社員一同。。。
ですが…
センターの社員が、みんな何もしなくてイイってわけじゃ
なくて…
例えば、リフト入出庫専任である社員のタカハシさん率いる
リフトマンチームは、冷凍五目めし(業務用1Kg)の庫内在庫
すべてをチェックし、該当のロット商品を返品庫へ移送。
で…、例えば、笹やんはと言えば…
笹やんの場合、得意先へ商品を納入しているわけですから、
該当のロット商品が納品されていないかを確認し、それに
応じた対処をしなければいけないわけです。
が…
おーーっ！
そっか、そっか！
メーカーが全部やってくれるンだ☆
ってわけで、メーカーが完璧にやってくれると思っていた
ようで…
だから、さっさと外へ出て、ベンチに腰掛けてタバコ吸って
いたところを、センター長に見つかって…
おめー、バカヤロ！
ナニのんびりタバコ吸っとるンや！
って、思いっきり怒鳴られて、ビックリした顔しながら
鼻の穴からモウモウと煙を吐く笹やん…。
はぁ!?
何のコトで…？
何のコトもそんなコトも
あるか！
おめー、今、どういう事態なのか
把握しとるンか!?
は…？
事態…って？
五目めしに異物混入があった…ってコト、
聞いとるやろ!?
ああ、アレですか…
アレならメーカーが自主回収するって
言ってたんで、オレらは、もう
関係ないじゃんねー
関係ねーわけねーだろ！
ってゆーか、おめー！
おめーが一番、納品先が多いンやぞ！
なぁ？
わかっとるンか！
おい！
納品先の各店舗へ確認の連絡を入れたンかっ？
は…？
は…？ じゃねーわッ！
おめーの担当の納品先、100店舗あるンやぞ！
なぁ？
その各店舗へ2018.08.30ロットの商品が
納品されてませんか？って確認したンかぃ!?
は…？
だからぁ…
は…？ じゃねーわッ！
得意先の店舗へ確認連絡をしろっつーの！
は…？
それ、メーカーの仕事でしょ？
は…？
おめー、ナニ言っとるんや！
そこまでメーカーがやるわけ
ねーだろ！
おめーが確認してやって、それを
おめーがメーカーに連絡してやって、
それでメーカーが回収に出向くンやろ！
は…？
そんなコト聞いてないじゃんねー！
そんなコト言われンでもわかるやろ!?
っつーか、何で今さら、オレに
そんなコト言わすンや!?
どうやら、冷凍五目めし(業務用1Kg)の納品先は笹やんが
担当している惣菜販売店が最も多いみたいで、その店舗数は
100店舗ほど。。。
いやいやいや…
100店舗以上ですヨ！
ムリに決まってンじゃんねー！
そんなのオレ1人で連絡して
確認しろってコトが！
誰もおめー1人でやれって
言ってねーやろ！
手の空いている社員とパートで
手分けして電話確認した上で
メーカーへ通達しろよって言った
にもかかわらずっ！
おめーはホント、ヒトの話聞いてねーなっ！
と、センター長から散々怒鳴られ、ダラついた足取りで
事務所へ向かう笹やん。。。
出庫伝票を取りに行くついでに事務所の様子を窺ってみると…
毎度お世話になっております。
こちら×××冷凍食品センターの
○○と申します。
急なご連絡で申し訳ございませんが、昨夜、
冷凍五目めし(業務用1Kg)に異物混入の
可能性があるとの連絡がメーカーから入りまして…、
ハイ、それで今から該当ロットを申し上げますので、
そちらに在庫があるかご確認いただき、在庫が
ありましたら数量をご連絡いただきますよう、
ご協力お願い申し上げます。
明日の納品便でお引き取り致しますので…、
ハイ、お忙しい中、大変恐れ入りますが、
よろしくお願いしま～す。
社員や事務パートの人たちが、納品先と思われる各店舗に
電話連絡をしていて、何とも慌ただしい空気が流れていま
した。
その中に笹やんもいて…
笹やんは左手に受話器を持ち、右手で自分の髪の毛をモサモサ
掻きながら、ホント、ヤル気なさげで嫌々やってるのが遠目
にもわかります。。。
やがて受話器を置いて、
たはぁぁ～～～～っ…。
って感じで大きくため息を吐いているのでした。
そんな様子を見ていた僕に気づいたのか、笹やんと目が合って
しまいました。
すると、ニヤ～っと謎の笑みを浮かべる笹やん…。
不気味だったので、すぐに去ることに。。。
さて…
午後2時少し前に、冷凍五目めし(業務用1Kg)のメーカー社員が
2名、センターへやってきました。
その頃には、各納品先への該当ロット商品の納品数量、在庫数量
なども概ね把握されたようです。
各納品先に対しては、明日の配送便で引き取り、このセンターで
収集した上、メーカーに返品する手筈になり、現在、ここにある
該当ロット商品は、やってきたメーカー社員が今から引き取る
ことでまとまりました。
いや～、大変お騒がせして
申し訳ありませんでした。
お詫び申し上げます。
などと言って、頭を下げながら返品庫へ向かうメーカー社員。
笹やんの前を通り掛かった際にも、2名のメーカー社員は
笹やんへお詫びの言葉を述べ、頭を下げました。
うんうん…と、ゆるい顔つきで応じていた笹やんですが、
で…、例のプラスチック片とやらは、
いつ、どこで、どのようにして
混入したんですか？
いきなり芝居っ気たっぷりの言い方になってメーカーに尋ねた
のです。
これには面食らったメーカー社員の2名…
ナニいきなりそんなコト
聞いてンの？
このオッサン…。
腹の中では、そう思っていることでしょうが、表面上は、
さあ、まだ詳細が現時点では明らかに
なっておりませんので、何とも
申し上げようがありません。
などと、曖昧に笑いながら答えていました。。。
さらに、もう一人のメーカーが、こう付け加えました。
工場内を点検したとのことですが、
該当のプラスチックと同じ材質の箇所が
見つからないとのことでして…
すると笹やん、またまた芝居っ気たっぷりで親指と人差し指を
顎にあてながら、
ほお～、そうなると外部から
持ち込まれたと言うことに
なりますナ。
でも、それ本当ですか？
何やら昔の刑事ドラマっぽい雰囲気を漂わせようとしている
様子の笹やん。。。
･････････････
･･･････････
その雰囲気を理解できず、ポカンとした顔つきのメーカー。。。
まさか、罪を逃れようと
イイ加減なこと言ってるんじゃ
ないでしょうね？
･････････････
･･･････････
近くにいた僕らは、笑いを堪えるのに必死です。。。
おい、何や？
何かあったンか？
そこへセンター長が来て、声を掛けました。
困惑していたメーカー社員は、センター長を見て、安堵の
表情。。。
ああ、ちょうどエエところへ…
このワケわからんオッサン、
何とかしてもらえませんか？
って腹の中で、センター長に訴えているに違いありません。。。
いや、今、メーカーさんに聞いていた
ところでして…
どうもプラスチック片は、ここの工場の
作業員の誰かが持ち込んで故意に混入させた
らしいです。
神妙な目つきで話し出した笹やんを制するように、
イエイエ、そんなこと
言ってません！
わたしら一言もそんな話
してませんよ！
慌てて否定するメーカー。
いや、そうとしか思えんでしょ。
おそらく嫌がらせとか、恨みでも
抱いているとか…
イエイエ、勘弁してくださいヨ…
勘弁してほしいのはこっちの方だ！
おかげで何軒も電話で同じコト言わされて、
こっちは疲れてンだ！
はぁ…
と、ここでセンター長が呆れた顔つきで口を挟みました。
おい、笹○！
そんなコト、おめーが首を
突っ込むことじゃねーだろ！
いや、これは重大事件です。
ちゃんと究明しておかないと…
重大かも知れんが、おめーが
首突っ込むコトじゃねーっつーの！
今回の騒動で、オタクらメーカーの
損害は金額にしてどれくらいで？
もうエエっつーの！
それによって犯人は、次の犯行を
企むかも…
もうエエわっ！
ここで僕らは、肩を震わせて笑いを堪えていましたが、ついに
爆笑！
周囲の空気が読めず、ポ～っと口を開けたまま立ち尽くす
メーカー社員2名。。。
以上、笹やんとセンター長のショートコント「五目めし」でした。。。
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何だか慌ただしくて、ザワザワしてて…
なんスか…？
何かあったんスか？
周りの人たちに聞いてみたところでは…
「冷凍五目めし(業務用1Kg)」という商品にプラスチック片が
混入している可能性があるとのこと！
そんな連絡をメーカーから昨夜受けて…
え！
えっ！
え…！？
え…！えっ！えっ！
ただただアタフタするだけのセンター内…。
ええ～、そ、それでですね…
それで…、私どもが責任を持って
回収させていただきますのでね…。
ハイ、自主回収って言いますか…、
ハイ！
ロットはですね…、
ええっと、ええ～っと
ロットは…、
2018.08.30です。
ハイ！
バタつくセンターへ、メーカーから、そんな連絡が入った
らしいです。
おーーっ！
そっか、そっか！
メーカーが全部やってくれるンだ☆
とりあえず胸を撫でおろしたセンターの社員一同。。。
ですが…
センターの社員が、みんな何もしなくてイイってわけじゃ
なくて…
例えば、リフト入出庫専任である社員のタカハシさん率いる
リフトマンチームは、冷凍五目めし(業務用1Kg)の庫内在庫
すべてをチェックし、該当のロット商品を返品庫へ移送。
で…、例えば、笹やんはと言えば…
笹やんの場合、得意先へ商品を納入しているわけですから、
該当のロット商品が納品されていないかを確認し、それに
応じた対処をしなければいけないわけです。
が…
おーーっ！
そっか、そっか！
メーカーが全部やってくれるンだ☆
ってわけで、メーカーが完璧にやってくれると思っていた
ようで…
だから、さっさと外へ出て、ベンチに腰掛けてタバコ吸って
いたところを、センター長に見つかって…
おめー、バカヤロ！
ナニのんびりタバコ吸っとるンや！
って、思いっきり怒鳴られて、ビックリした顔しながら
鼻の穴からモウモウと煙を吐く笹やん…。
はぁ!?
何のコトで…？
何のコトもそんなコトも
あるか！
おめー、今、どういう事態なのか
把握しとるンか!?
は…？
事態…って？
五目めしに異物混入があった…ってコト、
聞いとるやろ!?
ああ、アレですか…
アレならメーカーが自主回収するって
言ってたんで、オレらは、もう
関係ないじゃんねー
関係ねーわけねーだろ！
ってゆーか、おめー！
おめーが一番、納品先が多いンやぞ！
なぁ？
わかっとるンか！
おい！
納品先の各店舗へ確認の連絡を入れたンかっ？
は…？
は…？ じゃねーわッ！
おめーの担当の納品先、100店舗あるンやぞ！
なぁ？
その各店舗へ2018.08.30ロットの商品が
納品されてませんか？って確認したンかぃ!?
は…？
だからぁ…
は…？ じゃねーわッ！
得意先の店舗へ確認連絡をしろっつーの！
は…？
それ、メーカーの仕事でしょ？
は…？
おめー、ナニ言っとるんや！
そこまでメーカーがやるわけ
ねーだろ！
おめーが確認してやって、それを
おめーがメーカーに連絡してやって、
それでメーカーが回収に出向くンやろ！
は…？
そんなコト聞いてないじゃんねー！
そんなコト言われンでもわかるやろ!?
っつーか、何で今さら、オレに
そんなコト言わすンや!?
どうやら、冷凍五目めし(業務用1Kg)の納品先は笹やんが
担当している惣菜販売店が最も多いみたいで、その店舗数は
100店舗ほど。。。
いやいやいや…
100店舗以上ですヨ！
ムリに決まってンじゃんねー！
そんなのオレ1人で連絡して
確認しろってコトが！
誰もおめー1人でやれって
言ってねーやろ！
手の空いている社員とパートで
手分けして電話確認した上で
メーカーへ通達しろよって言った
にもかかわらずっ！
おめーはホント、ヒトの話聞いてねーなっ！
と、センター長から散々怒鳴られ、ダラついた足取りで
事務所へ向かう笹やん。。。
出庫伝票を取りに行くついでに事務所の様子を窺ってみると…
毎度お世話になっております。
こちら×××冷凍食品センターの
○○と申します。
急なご連絡で申し訳ございませんが、昨夜、
冷凍五目めし(業務用1Kg)に異物混入の
可能性があるとの連絡がメーカーから入りまして…、
ハイ、それで今から該当ロットを申し上げますので、
そちらに在庫があるかご確認いただき、在庫が
ありましたら数量をご連絡いただきますよう、
ご協力お願い申し上げます。
明日の納品便でお引き取り致しますので…、
ハイ、お忙しい中、大変恐れ入りますが、
よろしくお願いしま～す。
社員や事務パートの人たちが、納品先と思われる各店舗に
電話連絡をしていて、何とも慌ただしい空気が流れていま
した。
その中に笹やんもいて…
笹やんは左手に受話器を持ち、右手で自分の髪の毛をモサモサ
掻きながら、ホント、ヤル気なさげで嫌々やってるのが遠目
にもわかります。。。
やがて受話器を置いて、
たはぁぁ～～～～っ…。
って感じで大きくため息を吐いているのでした。
そんな様子を見ていた僕に気づいたのか、笹やんと目が合って
しまいました。
すると、ニヤ～っと謎の笑みを浮かべる笹やん…。
不気味だったので、すぐに去ることに。。。
さて…
午後2時少し前に、冷凍五目めし(業務用1Kg)のメーカー社員が
2名、センターへやってきました。
その頃には、各納品先への該当ロット商品の納品数量、在庫数量
なども概ね把握されたようです。
各納品先に対しては、明日の配送便で引き取り、このセンターで
収集した上、メーカーに返品する手筈になり、現在、ここにある
該当ロット商品は、やってきたメーカー社員が今から引き取る
ことでまとまりました。
いや～、大変お騒がせして
申し訳ありませんでした。
お詫び申し上げます。
などと言って、頭を下げながら返品庫へ向かうメーカー社員。
笹やんの前を通り掛かった際にも、2名のメーカー社員は
笹やんへお詫びの言葉を述べ、頭を下げました。
うんうん…と、ゆるい顔つきで応じていた笹やんですが、
で…、例のプラスチック片とやらは、
いつ、どこで、どのようにして
混入したんですか？
いきなり芝居っ気たっぷりの言い方になってメーカーに尋ねた
のです。
これには面食らったメーカー社員の2名…
ナニいきなりそんなコト
聞いてンの？
このオッサン…。
腹の中では、そう思っていることでしょうが、表面上は、
さあ、まだ詳細が現時点では明らかに
なっておりませんので、何とも
申し上げようがありません。
などと、曖昧に笑いながら答えていました。。。
さらに、もう一人のメーカーが、こう付け加えました。
工場内を点検したとのことですが、
該当のプラスチックと同じ材質の箇所が
見つからないとのことでして…
すると笹やん、またまた芝居っ気たっぷりで親指と人差し指を
顎にあてながら、
ほお～、そうなると外部から
持ち込まれたと言うことに
なりますナ。
でも、それ本当ですか？
何やら昔の刑事ドラマっぽい雰囲気を漂わせようとしている
様子の笹やん。。。
･････････････
･･･････････
その雰囲気を理解できず、ポカンとした顔つきのメーカー。。。
まさか、罪を逃れようと
イイ加減なこと言ってるんじゃ
ないでしょうね？
･････････････
･･･････････
近くにいた僕らは、笑いを堪えるのに必死です。。。
おい、何や？
何かあったンか？
そこへセンター長が来て、声を掛けました。
困惑していたメーカー社員は、センター長を見て、安堵の
表情。。。
ああ、ちょうどエエところへ…
このワケわからんオッサン、
何とかしてもらえませんか？
って腹の中で、センター長に訴えているに違いありません。。。
いや、今、メーカーさんに聞いていた
ところでして…
どうもプラスチック片は、ここの工場の
作業員の誰かが持ち込んで故意に混入させた
らしいです。
神妙な目つきで話し出した笹やんを制するように、
イエイエ、そんなこと
言ってません！
わたしら一言もそんな話
してませんよ！
慌てて否定するメーカー。
いや、そうとしか思えんでしょ。
おそらく嫌がらせとか、恨みでも
抱いているとか…
イエイエ、勘弁してくださいヨ…
勘弁してほしいのはこっちの方だ！
おかげで何軒も電話で同じコト言わされて、
こっちは疲れてンだ！
はぁ…
と、ここでセンター長が呆れた顔つきで口を挟みました。
おい、笹○！
そんなコト、おめーが首を
突っ込むことじゃねーだろ！
いや、これは重大事件です。
ちゃんと究明しておかないと…
重大かも知れんが、おめーが
首突っ込むコトじゃねーっつーの！
今回の騒動で、オタクらメーカーの
損害は金額にしてどれくらいで？
もうエエっつーの！
それによって犯人は、次の犯行を
企むかも…
もうエエわっ！
ここで僕らは、肩を震わせて笑いを堪えていましたが、ついに
爆笑！
周囲の空気が読めず、ポ～っと口を開けたまま立ち尽くす
メーカー社員2名。。。
以上、笹やんとセンター長のショートコント「五目めし」でした。。。
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