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笹やん 熟女子力

今、バイト先の冷凍食品センター内では「ナッちゃん効果」が
伝説のように語られています!

まず、この「ナッちゃん効果」について…

これは、みんなから「ナッちゃん」と呼ばれている22歳の女子が、
今年の1月にバイトとして、ここで働くようになり、それ以降、
ナッちゃんの所属する作業グループの生産性が目を見張るほど
高まったという現象のことです。

ナッちゃんが配属される前は、そのグループは日々、男子5、6人で
作業していたのですが、若くてカワイイ女子が、たった一人配属
されただけで、男子たちは単純に奮起し、大いに張り切って作業を
こなすようになり、結果として、作業時間が大幅に短縮されたと
いうことです。

どれだけ理屈を並べ、どれだけ計測、計量しても、さらに、
どれだけマニュアル書を作成してみても…

大きな改善効果は表われず、そんなコトより、とにかく若い女子を
一人雇って、男子たちに混ざって作業するだけで、めっちゃ改善に
つながった…ってコトです。。。

この効果は、現在も維持されていると言いますから…

女子力って偉大ですねぇ!

残念ながら、ナッちゃんは日曜日がお休みで、僕は一度も見たこと
がなく、こうして伝説として耳にするだけです。

なお、ナッちゃんはメガネっ娘で小柄らしく、一部のバイトたちは
彼女を「アラレちゃん」と呼んでいます。

アニメの主人公「アラレちゃん」に似ているらしいです。

そんなアラレちゃんの功績…、ナッちゃん効果を、先月、社員の
イトーさんが、業務改善活動のコンサルタントであるタカダさんに

  当センター最大の成果!

として、それはそれは真面目に説明したのでした。。。

それを真顔で聞いていたタカダさんは、途中で鼻水を垂らして
いたように思います。。。

ちなみにナッちゃんは、ノダさんという社員の管轄で、ここは
もともと女子比率が低く、ナッちゃんを含め、女子は3人だけ
だそうです。

3グループで構成されており、このうち1グループは今も男子のみ
で作業しているとか。。。

一方、最も女子比率が高いと言われる我らが笹やんのチームは、
延べ40人ほどのバイトのうち、半数近くが女子です。

とは言っても、若くても30半ば、ほとんど40代後半~50代ですが…

さて…

このナッちゃん効果が、こうして3ヵ月も持続するとは誰も予想
していなかったようで、さすがに笹やんも驚きを隠しきれない様子…

  これまでチンタラチンタラやってた奴らが、
  たった一人の22歳の娘が入ってきただけで、
  ここまで変わるとか…!?

いきなり九州弁で話し出す笹やん。。。

  どうせ初めの1週間ほどだろうと
  思うっとったに…

そう言う笹やんに、2人の学生バイトが、ここぞとばかりに…

  ねっ!前から言ってるけどサァ、
  ウチも20歳ぐらいの女のコ
  入れようよ!


  そうそう!
  ウチは大所帯だから、せめて5、6人は
  入れなくちゃ!

笹やんへ、若き女子バイトを雇い入れることを熱心に提唱するの
です。。。

  バカ!
  いきなり5人も6人も入れれるか!


  いいじゃん!
  今だって、オレたち一杯イッパイ
  なんだよ!


  そうだよ!
  ねえ、いきなり5、6人入れてサァ、
  ナッちゃん効果なんか比べモンにならない
  ほどの効果あげちゃいましょうヨ!

そんな会話を耳にして、中高年女子バイトたちの中には、彼らに
冷たい目線を送る人も…

さらに、口の悪い50代女子バイトが、

  おいっ!
  若けりゃイイってもんじゃないぞ!
  アタシらの女子力のおかげで
  作業がはかどってることを
  忘れんじゃないヨ!

続いてもう1人、40代女子バイトも、

  そうだよ!
  男子よりアタシらの方が、よっぽど
  動いてンじゃん!
  そんな無駄話してないで、さっさと
  作業したら?
  その方が生産性も上がるんじゃない?

と、まくし立てます。

女子力…、特に40、50代の女子力は独特な強烈さがあるようで、
学生バイトたちは、ヘラヘラしながら退散。。。

笹やんもニヤニヤしながら、バツの悪そうな目で女子たちを
見ています。

  ナッちゃん効果はわかるけど、
  でも、あんなのダメよ!
  ナッちゃんが休みの日は、一気に
  生産性が下がるって言うじゃない?


  そうだよ!
  ナッちゃんがいなけりゃ、途端に
  動かなくなるなんて…
  おかしいよ

40、50代女子たちが笹やんに言うのを聞いて、思わず僕は
吹き出してしまいました。。。

何ちゅう現金な男子バイトたちや…

でも、まぁ、そこがナッちゃん効果のスゴさでもあるわけで…

丁度そこへノダさんが通りかかりました。

  おう!ノダ!
  今日はどうだ?

笹やんは、明るく片手を上げて、ノダさんに声を掛けました。

  ・・・・・・・・・・・ハハッ

このノダさんと言う人とは、これまでロクに話をしたこともない
ので、僕は詳しく知りません。

年齢は50歳くらい。小柄でヤセ型。

正直言いますと見た目はパッとしない感じ。

あまり人と話をする方ではないようで、話をすると、何だか独り言を
言っているようで、相手の目を避けて、ぼそぼそとした話し方を
する人です。

今もノダさんは、チラッとだけ笹やんを見て、力無くあいまいな
笑いを浮かべるだけ。。。

笹やんは、そんなノダさんの方に近寄って、

  今日はナッちゃん休みだから、
  おまえのグループの生産性が
  ガクン!と下がる日だな

ニッコリ笑いながら大声で言いました。

それを聞いて、苦笑する中高年女子バイトたちが数人。。。

  ・・・・・・・・・・・ハハッ

再び、ちょっとズレたタイミングで力無く笑うノダさん。

  おまえ、もうすぐゴールデンウイークで
  繁忙期に入るけど、いつまでもナッちゃん効果を
  期待してちゃダメだぞ!
  そろそろバイトたちをキッチリ管理しないと
  いけんぞ!

と、自分のことを棚に上げたような発言をノダさんにする笹やん。

  ・・・・・・・・・・・ハハッ


  ◆◆屋のバイトらは、前々からオレも
  気に掛かってたところだ。
  奴ら、誰一人、自分から進んで
  動こうとしねえ!
  おまえがキッチリ叱ってやらなきゃ
  ダメだぞ!

またまた自分のことを棚に上げた発言の笹やん。。。

◆◆屋と言うのが、ナッちゃん効果を上げているグループの
納品先で、チェーンの定食屋さんです。

  だいだい、あそこの商品はアイテム数が
  限られているから、本当なら6人もバイト
  使うことはないんだぞ!
  オレなら、あの程度の納品数量であれば
  4人でやらせる!
  それだけいれば充分たい!


  ・・・・・・・・・・・ハハッ


  ま、ゴールデンウイーク明けになって、
  落ち着いた頃に考えろや。
  バイト人数を調整するのも生産性に
  大きく関わってくるんやぞ!

と、ここでピンと来たのか、またまた苦笑する中高年女子
バイトたち。。。

  だけど、◆◆屋の場合、定食屋だからなぁ…
  ゴールデンウイークの間は、案外忙しく
  ないんじゃないの?
  休日、家族連れで定食屋に行くってどうヨ?
  だったら、今のうちからバイト人員の調整でも
  考えてみろや

ポン!とノダさんの肩を軽く叩いて、そんなことを言う笹やんに
対して、ノダさんが、ぼそりと口を出しました。

  ◆◆屋はランチの定食、580円から…


  ?… ?… ???

笹やんは、目をテンにしてノダさんを見ています。
どうやら、今のノダさんの発言の意味を理解できかねているようで。。。

もちろん、近くで聞いていた僕らも、一瞬、キョトンとして
しまいました。

  日曜、祝日のランチはない…

さらにノダさんが、そう言ったので、笹やんも僕らも、

  ああ、そうか!
  ◆◆屋は平日ランチを安く提供しているけど、
  日祝は特にサービスランチがないから、
  ゴールデンウイーク中は、それほど忙しくないと
  ノダさんは言いたかったんだナ

と、思ったのですが…

  580円でミックスフライ定食、食べられる…
  でも、日曜もミックスフライ定食はある…
  日曜のはホタテフライが入ってる…
  それで700円…


  ?… ?… ???

そんなノダさんの発言に、再び「?」マークが頭の中に点滅…。

  ◆◆屋は、いつもお茶がぬるい…
  冷たいのはないの?って聞いたら、
  冷水しかないですって言われた…

誰に話しているわけでもなく、まさに独り言のように話をする
ノダさん…

  おまえ、何の話しとるんやっ!?

笑いに顔を崩しつつ、大声で言う笹やん。

そうか! これがノダさんの持ち味か!

僕は、腹の中で腹がよじれそうなくらい笑いながら、そんなコトを
思ったのでした。

まるでトンチンカンなことを話すノダさん…、なかなか手強い
50歳男子だと思ったです。。。

  ノダさーん!

そこへ、ノダさんを呼ぶ声が響いてきました。

声の主はマエダさん…

ノダさんチームに属している50代前半の女子バイトで、実は
笹やんが下心を抱いています。。。

  あ!居た居た!
  ねえ、ノダさん…
  ピザ生地LLサイズが高い所に
  置いてあるんでリフトで
  降ろしてもらえる?

そう言ってマエダさんは、ノダさんを格納ラックの方へ連れて
行こうとします。

  あ…
  LLサイズ…
  降ろすの忘れてたナ…
  アンチョビの方が辛いのに…

また独り言のように、ぼそぼそと意味不明な発言を交えつつ、
ヨタヨタとマエダさんに従っていくノダさん。。。

スラリと背が高いマエダさん、その後ろを力無く歩く小柄なノダさん…

何だか、母親に叱られて家路につく子供…って感じの絵面?

片平なぎささんに似ているマエダさんのことを、ズバリ!

  なぎさちゃん!

と呼んでいる笹やん、その“なぎさちゃん”の背中をじっと見つめて
います。

  おいおい、笹やん!
  マエダさんは諦めろ!
  なっ!


  そうだよ!
  男らしくないねえ!


  どうだ?
  笹やん、なぎさちゃんじゃないけど、
  アタシ、昔は「榊原郁恵」似って
  言われたことあるんで、
  郁恵ちゃんでどうだ?
  なあ、おい!


  わぁー、そう言われると似てるかも!
  郁恵ちゃ~ん☆


  いいじゃん、笹やん。
  郁恵ちゃんと仲良くね!
  ハハハッ☆

数人の中高年女子バイトに、はやし立てられ、腕をつかまれ、
苦笑しながら作業場へ引き戻されてく笹やん…

熟女子力…

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