首都高速を逆走するおばあちゃんのお話

水は高きから低きに流れ、煙は低きから高きに上る…

何事におきましても方向ってモンがありまして、流れが
逆になりますと、コレ、よろしくありません。

人間だって同じです。

口から入ったモノは尻から出てくる。

上から下へと方向が決まっておりますが、時には逆に
なることがありまして…

競馬で大負けしてスッテンテンになったタカさん、仲間の
センちゃんを無理やり誘ってヤケ酒を飲んだ後の帰り道、
もうすっかり出来上がってしまいました。

　　おい、タカさん
　　おまえ大丈夫か？
　　足元フラつかせやがって。
　　だいぶ酔ったみてぇだな？


　　うぃっ…、
　　何を、センちゃん。
　　オレなら全然、大丈夫よ！


　　そうは見えねぇよ。
　　おいおい、そのまま行くと
　　電柱にぶつかるぜ！


　　大丈夫だって！
　　うぃっ…
　　イテッ！！


　　ほれ、言わねぇこっちゃない！
　　おい、どうした？
　　困ったね。うずくまっちゃったヨ…


　　おえぇ～～

電柱の陰で、タカさんは先ほど飲んだヤケ酒を逆流させて
しまい、

　　畜生め！
　　ここで払い戻しとは…

そんなお話がございましたそうで。。。

ところで、逆と言いますと、近頃では高齢者の方が車を逆走
させる事件がちょくちょくありますね。

これが一般道路ではなく高速道路になりますと、さらに大変な
ことになります！

首都高速を走行中の79歳になるおばあちゃん。

神奈川の自宅へ帰ろうというわけですが、どうもおかしい…

いつもなら左手に見えるはずの景色が右側に見えてる…

　　おかしいね？
　　メガネの調子でも
　　悪くなったのかねぇ？

なんてメガネのせいにしているうちに、聞き慣れない地名の
料金所の手前まで来ちゃった！

　　こりゃいけない！

ようやく方向違いだってことに気がついたおばあちゃん。

あるまいことか、何と！！

その場でUターンしてしまいましたよ！

高速道路の料金所の手前でUターンすれば、どうなるか？

逆走ですよ！　逆走！

ま…、おばあちゃんにしてみりゃ、早く帰りたいとの思いで
落ち着いた判断が出来なかったんでしょうねぇ。。。

自分の車が逆走してるってコトも気がつかないまま、
トンネルの中を逆走していきました。

　　おいおい！
　　大変だよ！
　　向こうから車が
　　逆走してくるよ！

周りのドライバーはびっくりして、中には110番通報した人も
いたようで。

そんなことに構わず、おばあちゃんはトンネルの中、
ハンドルを握りながら、

　　こう暗くちゃ見えづらくて
　　かなわない…
　　メガネを直しておかなくちゃ…

ってメガネじゃないっつーの！

案の定、おばあちゃんの車は前から走ってきた車と正面衝突。。。

でも不幸中の幸いと言いますか、おばあちゃんも相手の方も
軽いケガで済みました。

駆けつけた警察官が、おばあちゃんに事情を聞きます。

　　ねえ、おばあちゃん。
　　どうして料金所の手前で
　　Uターンなんてしたの？
　　危ないでしょ！？


　　帰る途中で道を間違えたことに
　　気がついて…


　　だからって、あんな所で
　　Uターンしちゃダメでしょ！


　　だって、あそこ以外で
　　Uターンできる所ないでしょ！

おあとがよろしいようで。。。

（首都高速湾岸線上での事件に基づきます）

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タグ：逆走 首都高速