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孤高のおじさん

僕は仕事の都合により、朝、ウチを出る時間が異なります。

早朝4時、5時にウチを出ることもありますが、NHKの朝ドラを
観てから出掛ける日もあります。

でも、7時に出ることが多いですね。

この時間、ウチを出て自家用車に乗り込むまでの短い時間に、
必ずと言ってイイほど、一人の男性が歩いて行く姿を見るの
です。

たぶん、60歳に近い年齢だろうと思います。

この季節は薄手の紺色のブルゾンを着ています。

小脇に長年使い込んでいるらしい黒い鞄を挟み、真っすぐ
前を見つめるようにして歩いて行くのです。

これは僕の推察ですが、おそらく、この先にある撚糸工場へ
行くのではないでしょうか。

近所にある撚糸工場へは、この時間帯、大勢の人たちが
この近くのバス停で降りて、歩いて行くのです。

その男性も、そんな人たちに混じって歩いて行くのです。

しかし、彼は、いつ見ても誰とも話をすることなく、常に
一人で歩いています。

黙々と、そして、淡々と、それでも、どこか力強く歩いて
行くのです。

身長はそれほど高い方ではなく、髪の毛も薄くなっており、
大変失礼ではありますが、決して風采の上がる容姿では
ありません。

でも、僕は何だかその男性の雰囲気に惹かれるモノを感じる
のです。

地道に、本当に地道に、長年勤め続けている…ってのが、
その雰囲気の中で感じ取れるのです。

長年勤めていながらも、周りは世代の違いなのか、親しく
話をする者もおらず…

そんなちょっとした孤独感も秘めつつ、勤務先へ歩いて行く
姿に、いつしか僕は勝手に、その男性のことを

  孤高のおじさん

と呼んでいるのです。。。

いやホント、孤高という言葉が実にピッタリ当てはまるのです。

もし、その男性が、背が高くて骨格の良い体形、ロマンスグレイの
髪がフサフサしていて、男前だったら…

一人、黙々と歩いていても、あまり感じ入るものはなかったと
思います。

このおじさんだからこそ!

この容姿、風貌だからこそ!

孤高のおじさんとして、わずか数秒間、その姿を見て心響いて
くるものがあるのです!

いつか…

きっといつか…

僕は、このおじさんの前に立ち、大きな声で

  おはようございます!
  いつもお勤め、お疲れ様です!

とでも挨拶してみようかと思っているのですが…

たぶん、ビックリされるだけでしょうね。。。
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タグ:孤高
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