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しっぽく蕎麦を食べました
昼に入ったそば屋さんでメニューを眺めていたら、
しっぽく
と書かれていました。
たぬき、きつね、天ぷらなど馴染みのあるメニューの中に
いきなり、
しっぽく
と出てきたので、一瞬、えっ?と思いましたが、落語の
「時そば」を思い浮かべました。
屋台のそば屋で、客が代金を払っている途中で、
今、何時だい?
と尋ね、これに店主が、
九つです
と答え、それに合わせて客が、十、十一、十二…とお勘定を
一文ごまかす場面があります。
その客が注文したのが、確かしっぽく蕎麦だったはずです。
その客は、出てきたしっぽく蕎麦を食べながら、
いいダシだね!
とか、
ちくわ麩じゃなく、
ちくわも本物を使ってるね!
などと言って店主をおだてます。
僕は、しっぽく蕎麦とは何なのか知りませんが、少なくとも
ちくわが具に入っていることは間違いないようで、今、ここで
「しっぽく」と書かれたメニューを見つけ、それを食べてみようと
思いました。
これが、このそば屋さんのしっぽく蕎麦です。
具は、カマボコ、しいたけ、のり、玉子焼き、それに刻みねぎと
ゆずの皮が入っていました。
落語「時そば」では、ちくわ、またはちくわ麩が入っているらしいの
ですが、ここはちくわの代わりにカマボコを使っているようです。
全体的に、それほど豪華ではないけど、いろんな種類の具を入れた
蕎麦という感じです。
つゆを吸ってみると、これは「時そば」同様に、いいダシが効いて
いて、ゆずの香りも悪くありません。
蕎麦はそこそこコシがあって、のど越しの良いなめらかな食感です。
具の中では、カマボコが意外と旨くて、安いモノじゃなく、上等の
カマボコを使ってるという感じで、ここは「時そば」のちくわと
同様に褒めてあげてもイイと思いました。
こうして初めてしっぽく蕎麦を食べましたが、値段は700円と、
まぁ安い方ではありませんでした。
「時そば」のしっぽくは「二八そば」で、二×八=十六の十六文と
なっていましたが、700円が当時の十六文だとすれば、一文は44円
ぐらいになると言うことでしょうか?
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しっぽく
と書かれていました。
たぬき、きつね、天ぷらなど馴染みのあるメニューの中に
いきなり、
しっぽく
と出てきたので、一瞬、えっ?と思いましたが、落語の
「時そば」を思い浮かべました。
屋台のそば屋で、客が代金を払っている途中で、
今、何時だい?
と尋ね、これに店主が、
九つです
と答え、それに合わせて客が、十、十一、十二…とお勘定を
一文ごまかす場面があります。
その客が注文したのが、確かしっぽく蕎麦だったはずです。
その客は、出てきたしっぽく蕎麦を食べながら、
いいダシだね!
とか、
ちくわ麩じゃなく、
ちくわも本物を使ってるね!
などと言って店主をおだてます。
僕は、しっぽく蕎麦とは何なのか知りませんが、少なくとも
ちくわが具に入っていることは間違いないようで、今、ここで
「しっぽく」と書かれたメニューを見つけ、それを食べてみようと
思いました。
これが、このそば屋さんのしっぽく蕎麦です。
具は、カマボコ、しいたけ、のり、玉子焼き、それに刻みねぎと
ゆずの皮が入っていました。
落語「時そば」では、ちくわ、またはちくわ麩が入っているらしいの
ですが、ここはちくわの代わりにカマボコを使っているようです。
全体的に、それほど豪華ではないけど、いろんな種類の具を入れた
蕎麦という感じです。
つゆを吸ってみると、これは「時そば」同様に、いいダシが効いて
いて、ゆずの香りも悪くありません。
蕎麦はそこそこコシがあって、のど越しの良いなめらかな食感です。
具の中では、カマボコが意外と旨くて、安いモノじゃなく、上等の
カマボコを使ってるという感じで、ここは「時そば」のちくわと
同様に褒めてあげてもイイと思いました。
こうして初めてしっぽく蕎麦を食べましたが、値段は700円と、
まぁ安い方ではありませんでした。
「時そば」のしっぽくは「二八そば」で、二×八=十六の十六文と
なっていましたが、700円が当時の十六文だとすれば、一文は44円
ぐらいになると言うことでしょうか?
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『時そば』に出てくる「花巻」と「しっぽく」は当時の貨幣価値からすれば
“おかしな”演出なのですよ
(現在演じられている落語自体が大部分が明治から昭和にかけて、改変され続けて形ができあがっているので、江戸期そのままではありませんし、時代考証は無視されているものです)
現代の『時そば』の演出は、大坂で演じられていた『時うどん』を明治期に東京に移植したとされます(江戸期に原型となる小咄は存在していた)
で、元は単に16文のかけうどんを一杯食べていたのですが、東京に移植されてからなぜか「しっぽく」と「花巻」というセリフが加えられます
江戸後期ではかけそばが16文で、しっぽくや花巻のように具が乗った種物はそれ以上の値段です
(かけそば・うどんが16文で、天ぷら・花巻・しっぽくがそれぞれ24文の記録があります)
まあ、安価な屋台のそばですから、竹輪が乗っただけのそばを「しっぽく」、質の悪い海苔を浮かべただけで「花巻」と大げさに表現したのかもしれません
「しっぽく(卓袱)」は長崎生まれの食事方法で、大きなお膳にたくさんの食事を乗せて接客するという、西洋や中国風のもてなし方です
当時の日本は一人ひとりに小さなお膳が配される方式ですから、異国情緒あったのでしょう
そこからたくさんの具材をのせたうどんやそばを「しっぽく」とも言うようになります
ですから本来の「しっぽくそば(うどん)」は具だくさんですが、落語のあるしっぽくは別物ですね
なお、ちくわとかまぼこも機械化されるまでは、練り物でも棒につけて焼くちくわに比べ、板に盛って蒸すかまぼこは手間が掛かるため、ちくわよりも高価でした
つまり高級食材であるかまぼこではなく、ちくわなのもこういう理由です
ちなみに1文の価値は時代にもよりますがおおむね20~50円だそうです
by NO NAME (2014-06-03 13:09)
コメントありがとうございます。
そうですよね!
かけそば16文なら、具入りはそれより高くなる
はずですね。
なるほど落語も時代考証という点を加えて
聞いていると合点のいかない部分も出て
来るもんですね。
とても参考になりました。
by あべしん (2014-06-08 14:52)