笹やん 名座長
先週の日曜日、冷凍食品センターのバイト・ハヤカワさんが
出庫商品を間違えて、センター長にひどく叱られていましたが…
今日もまた…
商品は正しかったのですが、数量を間違えてしまい…
こらっ！
ハヤカワっ！
これ、数が違うやろ!!
現場で、笹やんの大声が響き渡りました。
その商品は「フランクフルト・ビッグ」という串に刺された
状態のフランクフルトソーセージですが、以前は、これが
20本詰めになったパックが、ダンボールケースの中に10袋
入っていました。
ところが今回から、6袋入りのダンボールがビニール製の
バンドで2箱に梱包された状態に変更されているのでした。
このようにケース内の入数が変わることを「荷姿変更」と
言っており、昨日に入庫した「フランクフルト・ビッグ」より
変更されたそうです。
変更前まで、この商品は1ケース当たり10袋でしたが、変更後、
1ケース当たり6袋になりました。
つまり、2箱に梱包されているバンドをはずして、6袋入りの
状態が1ケースになるわけです。
それをハヤカワさんは勘違いして、梱包してあるバンドを解かずに、
そのまま出庫してしまったのでした。。。
1ケース＝6袋のところを、1ケース＝12袋で納品してしまうことに
なります。
僕を含めて他のバイトも、今回が初めてなので、気がつかずに
梱包された状態のまま…、12袋入りの状態で仕分けていました。
これでは納品先の注文に対して、2倍の数を納品してしまうこと
になります。。。
しかし、誰一人、
気がつかんとはなぁ…
半ば呆れ気味に笹やんが言いました。
荷姿が変わることは聞いていたけど、
この状態で出庫されたら、ウチらは、
これが1ケースだと思い込んじゃうんで…
熟年バイト女子のひとりが、笹やんに言い、さらに、
でも、珍しいネ！
笹やんが気づくなんて…
いたずらっぽく笑って言いました。
つられて僕らも笑ってしまいました。
珍しいとは何や！？
オレだって毎回、
コサカ(センター長のこと)に
怒鳴られたくないからな
笹やんも目で笑いながら、そんなことを言いつつ、ハヤカワさんを
見て、
それよりハヤカワ！
もっと気を入れて仕事
してくれや！
っつーか、おまえ、何で
そんなに注意散漫なんや？
連続してミスっとるぞ！
と、叱りつけました。
が…
ハヤカワさんは、やや眩しそうに笹やんを見ながら、薄ら笑いを
浮かべて突っ立っているだけ。。。
やっぱり、反省の色は見られず、相変わらず飄々とした様子です。
ヘラヘラ笑ってんじゃねーぞ！
ここでバイトして、もう5年か？
いや、6年経つやろ！？
イイ加減、しっかりしろや！
･･･････････････
･････････････
おまえってさぁ…
ミスして悪いとか思ったコト
あんの？
･･･････････････
･････････････
せめてさぁ…
せめて、一言ぐらい
謝りの言葉を言っても
イイじゃんねぇ
･･･････････････
･････････････
おい！
オレの言ってること
聞いとるンか！？
･･･････････････
･････････････
だから、ヘラヘラすんなって！
何がおかしい！？
･･･････････････
･････････････
ちゃんと立て！ちゃんと！
フラフラしやがって、コノっ！
･･･････････････
･････････････
そもそも、おまえ、
まともな仕事が出来んのか！？
普通ならクビだぞ！
クビっ！！
･･･････････････
･････････････
オレも詳しくは聞かんけど、
おまえがワケありだと
コサカから聞いてるんで、
おまえの面倒見てやってるんや！
それを何や！？
･･･････････････
･････････････
普通ならクビだ！
おまえみたいに立て続けに
ミスばっかするようなヤツは！
･･･････････････
･････････････
と、ここで現れたのがセンター長。
何やらニヤニヤと笑いつつ、笹やんの背後に近寄ってきます。
それに気づかない笹やんは、なおも薄ら笑いを浮かべ、
休めの体勢で突っ立っているハヤカワさんを叱咤します。
だいたい、おまえには仕事に対する
責任感というものが見られん！
こうやってオレに叱られても、
全く改善しようという気がない！
どういうつもりや！？
･･･････････････
･････････････
と、ここでハヤカワさんの目がセンター長の方へ移りました。
そのハヤカワさんの目線に気がついたのか、笹やんが背後を
振り返ると…
おまえの今のセリフ…、
オレがおまえに言うセリフや
センター長は、苦く笑って笹やんに言いました。。。
へ？
キョトン顔の笹やん。。。
ここで僕らバイトは、腹を抱えて笑っちゃいました。
それを制するようにセンター長が、
またハヤカワのミスか？
どうせ例のフランクフルトの
荷姿変更やろ？
心配になって来てみたら、
やっぱり間違えやがって！
舌打ちして言いました。
ええ、そうなんで…
このハヤカワの野郎ときたら、
オレの言うこと、まったく
聞く耳持たないンで…
笹やんがセンター長に言うと、
っーか、おまえ…、
ハヤカワだけじゃなく、
バイト全員に荷姿変更の件、
ちゃんと通達しとけよ！
この様子じゃ、ハヤカワの
間違いに気づくことなく、
ほかのバイトも、そのまま
仕分けとるみたいやないか！
センター長は、笹やんを叱り飛ばします。
は？
言いましたよ！
ちゃんと入数が変わるって
言いましたよ！
ムキになる笹やん。。。
言ったのなら、何で
こんな間違いが起こるんや！？
それは…
早くも言葉に詰まる笹やん。。。
あのぉ～
と、ここでハヤカワさんが口を出して来たのには、センター長や
笹やんだけでなく、僕らも意外でした。
あのぉ～、僕…、
出庫係じゃなくて、
仕分けをする係になっちゃ
いけないですかねぇ？
ぼそりとした口調で、ハヤカワさんは、センター長に言ったのか、
笹やんに言ったのかわからないような感じで言いました。
これにはセンター長、笹やんとも、しばし沈黙。。。
つまり、ハヤカワさんとしては、これ以上、出庫ミスをして
迷惑をかけたくないので、出庫された商品を納品先ごとに仕分ける
作業に移りたいと申し出たわけです。
が…
おまえ、どうして自分が仕分け係に
なれないのか、わかってるんじゃ
ないの？
ハヤカワさんの顔を覗き込むようにして、センター長が言いました。
すると、ハヤカワさんは例の眩しげな目でセンター長を見つめ、
再び薄ら笑いを浮かべました。
おまえが仕分けをすると、店舗ごとに
違った商品が納められたり、違った数で
納められたりするからやろ！
そのミスを何回も繰り返したやろ？
だから、おまえに仕分けは任せられんから、
出庫係になったんやろ！？
なぁ？
そのことを忘れて、何が仕分け係や？
センター長が言うと、続いて笹やんも、ハヤカワさんに言います。
仕分けは出来ん！
出庫も出来ん！
おまえ、何が出来るんや？
ええっ？
モジモジしながら、今度は笹やんの方を眩しげに見るハヤカワさん。。。
そんなハヤカワさんを睨みつける笹やんに向かって、
しかし、笹○…
おまえもハヤカワのこと、
キツく言えんぞ…
諭すように言いました。
は？
何で？
目をテンにした笹やんへ、センター長は苦笑いを浮かべながら、
おまえらふたり、
似たようなモンや
目クソ鼻クソや
そう言うと、笹やんがムッとした口調で反論します。
何すか！？ソレっ！
オレとハヤカワ、一緒に
しないでくださいよ！
おまえら一緒だ！
同じミス、繰り返して…
仕事への姿勢はイイ加減だし…
こんなヤツと一緒にされちゃ
やってられませんよっ！
オレ、こいつほどミスは
してないッスよ！
こいつほど…って、おまえ、
バイトを相手に、なに比較しとるんや！？
なぁ？
おまえ、社員やぞ！
バイトを管理する立場やぞ！
そんなこと分かってますよ！
分かっとるんやったら、
そんな言葉は出て来んはずや！
だからおまえとハヤカワは
目クソ鼻クソやっつーの!!
それじゃセンター長は
耳クソっすか？
アホか！
何でオレが耳クソや！
それこそ、おまえらと一緒に
するなっ！
この段階で、作業場は爆笑の渦！
なかには壁に手を掛け、肩を揺すって大笑いしているバイトも
いました。。。
座長・笹やんと、センター長、ハヤカワさんによる「お笑い一座」
の一幕でした。。。
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出庫商品を間違えて、センター長にひどく叱られていましたが…
今日もまた…
商品は正しかったのですが、数量を間違えてしまい…
こらっ！
ハヤカワっ！
これ、数が違うやろ!!
現場で、笹やんの大声が響き渡りました。
その商品は「フランクフルト・ビッグ」という串に刺された
状態のフランクフルトソーセージですが、以前は、これが
20本詰めになったパックが、ダンボールケースの中に10袋
入っていました。
ところが今回から、6袋入りのダンボールがビニール製の
バンドで2箱に梱包された状態に変更されているのでした。
このようにケース内の入数が変わることを「荷姿変更」と
言っており、昨日に入庫した「フランクフルト・ビッグ」より
変更されたそうです。
変更前まで、この商品は1ケース当たり10袋でしたが、変更後、
1ケース当たり6袋になりました。
つまり、2箱に梱包されているバンドをはずして、6袋入りの
状態が1ケースになるわけです。
それをハヤカワさんは勘違いして、梱包してあるバンドを解かずに、
そのまま出庫してしまったのでした。。。
1ケース＝6袋のところを、1ケース＝12袋で納品してしまうことに
なります。
僕を含めて他のバイトも、今回が初めてなので、気がつかずに
梱包された状態のまま…、12袋入りの状態で仕分けていました。
これでは納品先の注文に対して、2倍の数を納品してしまうこと
になります。。。
しかし、誰一人、
気がつかんとはなぁ…
半ば呆れ気味に笹やんが言いました。
荷姿が変わることは聞いていたけど、
この状態で出庫されたら、ウチらは、
これが1ケースだと思い込んじゃうんで…
熟年バイト女子のひとりが、笹やんに言い、さらに、
でも、珍しいネ！
笹やんが気づくなんて…
いたずらっぽく笑って言いました。
つられて僕らも笑ってしまいました。
珍しいとは何や！？
オレだって毎回、
コサカ(センター長のこと)に
怒鳴られたくないからな
笹やんも目で笑いながら、そんなことを言いつつ、ハヤカワさんを
見て、
それよりハヤカワ！
もっと気を入れて仕事
してくれや！
っつーか、おまえ、何で
そんなに注意散漫なんや？
連続してミスっとるぞ！
と、叱りつけました。
が…
ハヤカワさんは、やや眩しそうに笹やんを見ながら、薄ら笑いを
浮かべて突っ立っているだけ。。。
やっぱり、反省の色は見られず、相変わらず飄々とした様子です。
ヘラヘラ笑ってんじゃねーぞ！
ここでバイトして、もう5年か？
いや、6年経つやろ！？
イイ加減、しっかりしろや！
･･･････････････
･････････････
おまえってさぁ…
ミスして悪いとか思ったコト
あんの？
･･･････････････
･････････････
せめてさぁ…
せめて、一言ぐらい
謝りの言葉を言っても
イイじゃんねぇ
･･･････････････
･････････････
おい！
オレの言ってること
聞いとるンか！？
･･･････････････
･････････････
だから、ヘラヘラすんなって！
何がおかしい！？
･･･････････････
･････････････
ちゃんと立て！ちゃんと！
フラフラしやがって、コノっ！
･･･････････････
･････････････
そもそも、おまえ、
まともな仕事が出来んのか！？
普通ならクビだぞ！
クビっ！！
･･･････････････
･････････････
オレも詳しくは聞かんけど、
おまえがワケありだと
コサカから聞いてるんで、
おまえの面倒見てやってるんや！
それを何や！？
･･･････････････
･････････････
普通ならクビだ！
おまえみたいに立て続けに
ミスばっかするようなヤツは！
･･･････････････
･････････････
と、ここで現れたのがセンター長。
何やらニヤニヤと笑いつつ、笹やんの背後に近寄ってきます。
それに気づかない笹やんは、なおも薄ら笑いを浮かべ、
休めの体勢で突っ立っているハヤカワさんを叱咤します。
だいたい、おまえには仕事に対する
責任感というものが見られん！
こうやってオレに叱られても、
全く改善しようという気がない！
どういうつもりや！？
･･･････････････
･････････････
と、ここでハヤカワさんの目がセンター長の方へ移りました。
そのハヤカワさんの目線に気がついたのか、笹やんが背後を
振り返ると…
おまえの今のセリフ…、
オレがおまえに言うセリフや
センター長は、苦く笑って笹やんに言いました。。。
へ？
キョトン顔の笹やん。。。
ここで僕らバイトは、腹を抱えて笑っちゃいました。
それを制するようにセンター長が、
またハヤカワのミスか？
どうせ例のフランクフルトの
荷姿変更やろ？
心配になって来てみたら、
やっぱり間違えやがって！
舌打ちして言いました。
ええ、そうなんで…
このハヤカワの野郎ときたら、
オレの言うこと、まったく
聞く耳持たないンで…
笹やんがセンター長に言うと、
っーか、おまえ…、
ハヤカワだけじゃなく、
バイト全員に荷姿変更の件、
ちゃんと通達しとけよ！
この様子じゃ、ハヤカワの
間違いに気づくことなく、
ほかのバイトも、そのまま
仕分けとるみたいやないか！
センター長は、笹やんを叱り飛ばします。
は？
言いましたよ！
ちゃんと入数が変わるって
言いましたよ！
ムキになる笹やん。。。
言ったのなら、何で
こんな間違いが起こるんや！？
それは…
早くも言葉に詰まる笹やん。。。
あのぉ～
と、ここでハヤカワさんが口を出して来たのには、センター長や
笹やんだけでなく、僕らも意外でした。
あのぉ～、僕…、
出庫係じゃなくて、
仕分けをする係になっちゃ
いけないですかねぇ？
ぼそりとした口調で、ハヤカワさんは、センター長に言ったのか、
笹やんに言ったのかわからないような感じで言いました。
これにはセンター長、笹やんとも、しばし沈黙。。。
つまり、ハヤカワさんとしては、これ以上、出庫ミスをして
迷惑をかけたくないので、出庫された商品を納品先ごとに仕分ける
作業に移りたいと申し出たわけです。
が…
おまえ、どうして自分が仕分け係に
なれないのか、わかってるんじゃ
ないの？
ハヤカワさんの顔を覗き込むようにして、センター長が言いました。
すると、ハヤカワさんは例の眩しげな目でセンター長を見つめ、
再び薄ら笑いを浮かべました。
おまえが仕分けをすると、店舗ごとに
違った商品が納められたり、違った数で
納められたりするからやろ！
そのミスを何回も繰り返したやろ？
だから、おまえに仕分けは任せられんから、
出庫係になったんやろ！？
なぁ？
そのことを忘れて、何が仕分け係や？
センター長が言うと、続いて笹やんも、ハヤカワさんに言います。
仕分けは出来ん！
出庫も出来ん！
おまえ、何が出来るんや？
ええっ？
モジモジしながら、今度は笹やんの方を眩しげに見るハヤカワさん。。。
そんなハヤカワさんを睨みつける笹やんに向かって、
しかし、笹○…
おまえもハヤカワのこと、
キツく言えんぞ…
諭すように言いました。
は？
何で？
目をテンにした笹やんへ、センター長は苦笑いを浮かべながら、
おまえらふたり、
似たようなモンや
目クソ鼻クソや
そう言うと、笹やんがムッとした口調で反論します。
何すか！？ソレっ！
オレとハヤカワ、一緒に
しないでくださいよ！
おまえら一緒だ！
同じミス、繰り返して…
仕事への姿勢はイイ加減だし…
こんなヤツと一緒にされちゃ
やってられませんよっ！
オレ、こいつほどミスは
してないッスよ！
こいつほど…って、おまえ、
バイトを相手に、なに比較しとるんや！？
なぁ？
おまえ、社員やぞ！
バイトを管理する立場やぞ！
そんなこと分かってますよ！
分かっとるんやったら、
そんな言葉は出て来んはずや！
だからおまえとハヤカワは
目クソ鼻クソやっつーの!!
それじゃセンター長は
耳クソっすか？
アホか！
何でオレが耳クソや！
それこそ、おまえらと一緒に
するなっ！
この段階で、作業場は爆笑の渦！
なかには壁に手を掛け、肩を揺すって大笑いしているバイトも
いました。。。
座長・笹やんと、センター長、ハヤカワさんによる「お笑い一座」
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