________________________________________________________________________

笹やん 向こう見ず

グリルハンバーグ散乱事件…

今日の午前9時40分頃、バイト先の冷凍食品センターにおいて、
この事件が発生してしまいました。。

笹やんチームの若手バイトグループ・スダ一門。

リーダー格であるスダさん率いる若手バイトたちの中で、最も
ヘラついた感じのヤマシタさん。

いつもヘラヘラ、ニヤニヤしていて締まりがない。。。

本人は一生懸命やってるようですが、周りからは、そう見られ
ない。。。

彼の眼は、やや吊り上り気味で、

  キツネ目のヤマシタ

などと言われています。

そのヤマシタさん、ロクに前を見ずにグリルハンバーグを目一杯
積んだカゴ車を押してきました。

  おい、ヤマシタ!

  おい、あぶねーぞ!

  ヤマシターーっ!!


ぐゎしゃ…っ、っ!!


  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

辺りは静寂な空気に包まれました。

まさに、時が止まったかのようでした。

20秒、30秒…、いや、1分ほど、僕を含めて周囲の人たちは
呼吸することも忘れたかのように、その場にジッとして動こう
ともしませんでした。

  ナニやっとるんや!
  オメーはよぉ!

リフトマンのカワサキさんの怒鳴り声が響き、ようやく庫内が
ざわつき始めました。

要するに、ヤマシタさんの押していたカゴ車が、カワサキさんの
フォークリフトに接触したのでした。

幸い、ケガ人はいません。

しかし、横転したカゴ車の側面がグニャリと曲がってしまい、
積んでいたグリルハンバーグは、床上に散乱…

外箱が破れ、商品が飛び出しているだけでなく、ハンバーグ
そのものが何個も散乱しているのでした。

  うわぁ~!

    うわぁ~!


  うわぁ~!

     うわぁ~!

   うわぁ~!


  うわぁ~!

やがて、周りの人たちは、それぞれに、そんな声をあげ始め
ました。

その場には、笹やんも居て、一緒になって、

  うわぁ~!

と言いながら、ニヤニヤしているのでした。。。

ヤマシタさんは、少々固まりながらも、それでもニヤついた
顔つきは変わらず、ヘラヘラと突っ立っているのでした。

そんなヤマシタさんの様子に腹を立てたのか、再びカワサキさん
が怒鳴り声をあげました。

  オメーは、どこに目ぇつけとるンじゃい!
  しかも、こんなに積み過ぎなんやて!!

しかし、ヤマシタさん自身、カゴ車に積み込み過ぎたことは
認めており、それによって視界が遮られ、カワサキさんの
リフトに気が付かなかった点は反省しているようで、一応、
ペコペコと何度も頭を下げて見せるのでした。

が…

あいにく、おかしくもないのに常に笑っているような目つきで、
それが人をバカにしているようにも捉えられてしまうので、

  オメー、全然、反省しとらんなー!
  わかっとるンか?

カワサキさんから、何度も怒鳴られてしまうのでした。。。

  まあ、安全確認を怠ったカワサキにも
  落ち度がある。
  それより早よ、みんな掃除しろ!
  カワサキ…、おまえ、どうでもエエけど
  足でハンバーグ踏んどるゾ。。。

と、ここで笹やんが割って入った形となり、この場は、これ以上
険悪な空気にならずに済みましたが…

~♪♪… ♪~

笹やんの携帯電話からメールの着信音が聞こえました。

そこで笹やん、携帯を取り出し、画面を見つめると、

  なにぃッ!?

と、叫んでから…

  うわぁ~!

先ほどと同じような声をあげたのでした。。。


昼休みになって・・

僕らは、笹やんと一緒に近くの「うどん屋」で昼食を済ませてから、
センターの休憩室でお茶を飲むことにしました。

そこで笹やんが、おもむろに、

  娘が、10月1日に籍を入れると
  メールが入ってきた。。

と言いました。

  は…?

いきなりそんなコト言われ、僕らは、ポカンと口を開け、そう言う
のが精一杯でした。

娘…?

籍…?

何のこっちゃ?

しかし、笹やんには娘さんが、1人いると言うことは聞いていました。

確か、その娘さんが高校生の頃だったか、卒業後した頃、笹やんは
離婚したそうで…

それから、しばらく音信不通だったそうですが、娘さんは24歳で
結婚し、それから2年後に離婚したとかで…

相手がどんな人なのか、笹やんも詳しくは知らないみたいですが、
子どもは授からなかったようで…

以降、毎年お正月になるとメールが届くようになったとのことで…

  神戸にいると言ってきたり、
  沖縄からメール送ってきたり…
  ブラブラしながらも、それなりに
  働いて食っているようだった。

笹やんは、お茶を啜りながら、そう話してくれました。

聞いていた僕らは、

  さすが笹やんの娘さんだ。
  笹やんの血を見事に受け継いでいる!

そんな思いを共有したのでした。。。

それで、籍を入れるって…?

相手のことについてもメールで知らせてきたらしく、

  相手は初婚だそうだ。
  43歳で、今、博多で小料理屋を
  やっていると言っている。
  何でも京都の有名な料亭で
  10年ほど修業したらしい。
  そんなヤツとどんなふうに
  知り合ったのか…、
  そこまで知らせてもらっていないが、
  いきなり入籍と言って来られてもナァ…。

調べてみると、10月1日は大安吉日。

笹やん、何やら思いにふけっているような顔になり、腕組みを
しながら、

  全くアイツときたら、前々から向こう見ずな
  ところがあるヤツで…
  オレにどうしてほしいンか?

などと言っていますが…

  “向こう見ず”なのは笹やん、
  あんたと同じでしょ?

僕ら全員、一致した思いを持っていたはずです。。。
にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ
にほんブログ村




nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感