笹やん 道しるべ
おいっ！笹○!!
バイト先の冷凍食品センターの作業場へ、目と顔面を真っ赤にした
センター長が怒鳴り込んできました。。
おめー、バカヤロー！
N地区コースの××寿司の納品数が
メチャクチャやないけ！
どーなっとるンや!?
いきなり怒鳴られた笹やん･･
目をテンにして無言のまま、その場に突っ立ているだけ･･
おめー、もうエエ加減にせえよ！
ホント！
なぁ？
積み込み前の検品、ちゃんとやれっつーの！
頼むわっ！
おい、聞いとるンかい!?
･････････････
････････････
N地区やて！N地区！
そこの店舗に納める商品の数が
違っとるやないけ！
どーしてくれるンや！
･････････････
････････････
今日なんか給料日後の週末で物量
メッチャ多いんやゾ！
ドライバー、みんな出払って一人も
おらんのやゾ！
で、こーゆー時に限って、つまらん
ミスしやがって！
･････････････
････････････
まあエエわ！
とにかく今からN地区の店舗を
回って来い！
自分の車に保冷ケース積んで
行ってこいや！
･･･何が･･、
何が、あったんスか？
ここで、ようやく口を開いた笹やん。
それを聞いて、今度はセンター長が真っ赤な目をテンにして、
しばし無言状態。。
･････････････
････････････
やがて、再び顔面を赤く染め、センター長が言いました。
何があった…じゃねーわっ！
だから、N地区コースの××寿司、
そこの5店舗へ納品する商品の数量が
全然違っとるっつーの！
もう少し詳しく聞いてみると…
笹やん担当の納品先である回転寿司チェーンが、N地区には
5店舗ありまして…
今朝、納品した「アルゼンチン産ゆでエビ冷凍」の数量が、
5店舗とも違っているとのことで…
5店舗分の総数量は6ケースで、これは間違いないのですが、
各店舗への納品数量が間違っている。。
･･ってコトは、仕分票を見誤ったのか、仕分け時に納品店舗を
ズラしてしまったのか？
N地区店舗
1.A店（発注数：2 納品数：2）
2.B店（発注数：1 納品数：2）
3.C店（発注数：1 納品数：1）
4.D店（発注数：0 納品数：1）
5.E店（発注数：2 納品数：0）
上記にように実際の発注数に対して、A店とC店以外は納品数が
違っていました。
で…
店舗に納品された午前10時前後･･
ゆでエビなんだけどさぁ…、
1ケースしか注文していないのに
2ケース入ってきてるけど、
どーゆーコト？
ちょっと、ゆでエビなんて
頼んでないのに1ケース入ってきたよぉ～
コレ貰っちゃっていいの？
お～い、ゆでエビ2ケース発注してる
はずだけど、入ってないぞ～！
そんな電話が各店舗から入ったそうで･･
電話対応に負われたセンター長、何が何だか、もう…
それで真っ赤な顔して作業場へ怒鳴り込んで来たと。。
何回も言うけど、ちゃんと
検品しろっつーの！
いやぁ、検品はしてますよ。。
ンじゃ、何でこうなるんや!?
誰だ？ 検品したヤツは？
･････それが、、
誰や？
････ハヤカワで。。
ナニぃ！
ハヤカワだとぉーっ!!
バツの悪そうに首をひねって見せる笹やん。
対してセンター長は、笹やんの顔面にツバを浴びせるほどの
大声で吠えまくります。
アホか！おめーは!!
何であんなヤツに検品なんか
やらせるんや？
っつーか、アイツには検品させるなって
前々から言っておいたにもかかわらずっ!!
いやぁ～、たまたま他のバイトの奴ら、
全員、手が塞がっていて…
だからと言って、何でハヤカワなんや!?
おめーが検品すりゃ済んだやろ！
いやぁ～、オレも手一杯だったンで…
言い訳するなっ！
ハヤカワなんかにやらせるから
こんなコトになってまったやろ！
こうして、先ほどから「ハヤカワ」「ハヤカワ」と名前をあげて
かなりボロクソ言ってますが･･
実は、この作業場にハヤカワさんもいるわけで･･
そのハヤカワさん、とりあえず作業の手は動かしてますけど、
相当固まっているみたいで、表情もこわばってます…。
元々、ハヤカワさんは作業ミスが多く、周りから要注意人物として
見られています。
検品も、本当にチェックしているのか、間違いが多いようで･･
ひょっとしたらハヤカワさんは、文字や数字が読めないんじゃ
ないか？って悪口を言うバイトもいるほどで･･
なので、以前から、
検品だけはハヤカワにやらすなっ！
と言う禁止令が出ていたのです。
一応、各店舗にはオレの方から
謝っておいたし、状況説明して
理解してもらえた。
センター長は、少し落ち着いた様子で、そう言いました。
さらに、
幸い、5店舗中、3店舗を回れば済む。
B店とD店から1ケース回収して、E店へ
納めろ。
おめーの自家用車で間に合うやろ。
保冷ケースだけは忘れずに持って行けや。
と、笹やんへ指示すると、
いやいや…、
オレ、これからまだ忙しくて…
だったらハヤカワに配達させましょうよ。
口を尖らせて笹やんが言いました。
すると、センター長、またまた顔を赤らめて、
やめろ！
アイツにやらせたら、道に迷うどころか
事故でも起こされたらかなわん！
第一、アイツ、車の運転なんて出来んやろ！
いやぁ～、免許くらいは持ってると
思いますけど…
アイツが車に乗っているのを見たことも
聞いたこともないゾ！
ここにだって自転車で通っとるやろ。。
でも…
でももナニも…
おめーが行け！
もうコレ以上、ハヤカワなんかに
やらすなっ！
って、今、この場にハヤカワさんがいるのに…
この二人、全くハヤカワさんの人権を無視しているかのようで。。
当のハヤカワさんは、確実に動きを鈍らせ、苦く笑っているのみ。。
オレの車を貸すから、ハヤカワに
配達させればイイでしょ？
各店への道も教えてやるんで。。
店までの道より、作業に対する正しい
道筋を教えたれや！
おめー、ある意味、バイトたちの
「道しるべ」なんやゾ！
本来、間違いのないようにバイトたちを
導くことが、おめーの仕事なんやゾ！
センター長は、笹やんの顔の前で、興奮しているのかブンブンと
手を振りながら喚いてます。。
バイトたちの「道しるべ」って言われてもナァ･･
こう言っちゃ申し訳ないですが、笹やんが「道しるべ」では、
迷うどころか、遭難しちゃうンじゃ。。。
で、結局…
笹やんは、渋々、配達に出掛けて行ったのでした。。
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バイト先の冷凍食品センターの作業場へ、目と顔面を真っ赤にした
センター長が怒鳴り込んできました。。
おめー、バカヤロー！
N地区コースの××寿司の納品数が
メチャクチャやないけ！
どーなっとるンや!?
いきなり怒鳴られた笹やん･･
目をテンにして無言のまま、その場に突っ立ているだけ･･
おめー、もうエエ加減にせえよ！
ホント！
なぁ？
積み込み前の検品、ちゃんとやれっつーの！
頼むわっ！
おい、聞いとるンかい!?
･････････････
････････････
N地区やて！N地区！
そこの店舗に納める商品の数が
違っとるやないけ！
どーしてくれるンや！
･････････････
････････････
今日なんか給料日後の週末で物量
メッチャ多いんやゾ！
ドライバー、みんな出払って一人も
おらんのやゾ！
で、こーゆー時に限って、つまらん
ミスしやがって！
･････････････
････････････
まあエエわ！
とにかく今からN地区の店舗を
回って来い！
自分の車に保冷ケース積んで
行ってこいや！
･･･何が･･、
何が、あったんスか？
ここで、ようやく口を開いた笹やん。
それを聞いて、今度はセンター長が真っ赤な目をテンにして、
しばし無言状態。。
･････････････
････････････
やがて、再び顔面を赤く染め、センター長が言いました。
何があった…じゃねーわっ！
だから、N地区コースの××寿司、
そこの5店舗へ納品する商品の数量が
全然違っとるっつーの！
もう少し詳しく聞いてみると…
笹やん担当の納品先である回転寿司チェーンが、N地区には
5店舗ありまして…
今朝、納品した「アルゼンチン産ゆでエビ冷凍」の数量が、
5店舗とも違っているとのことで…
5店舗分の総数量は6ケースで、これは間違いないのですが、
各店舗への納品数量が間違っている。。
･･ってコトは、仕分票を見誤ったのか、仕分け時に納品店舗を
ズラしてしまったのか？
N地区店舗
1.A店（発注数：2 納品数：2）
2.B店（発注数：1 納品数：2）
3.C店（発注数：1 納品数：1）
4.D店（発注数：0 納品数：1）
5.E店（発注数：2 納品数：0）
上記にように実際の発注数に対して、A店とC店以外は納品数が
違っていました。
で…
店舗に納品された午前10時前後･･
ゆでエビなんだけどさぁ…、
1ケースしか注文していないのに
2ケース入ってきてるけど、
どーゆーコト？
ちょっと、ゆでエビなんて
頼んでないのに1ケース入ってきたよぉ～
コレ貰っちゃっていいの？
お～い、ゆでエビ2ケース発注してる
はずだけど、入ってないぞ～！
そんな電話が各店舗から入ったそうで･･
電話対応に負われたセンター長、何が何だか、もう…
それで真っ赤な顔して作業場へ怒鳴り込んで来たと。。
何回も言うけど、ちゃんと
検品しろっつーの！
いやぁ、検品はしてますよ。。
ンじゃ、何でこうなるんや!?
誰だ？ 検品したヤツは？
･････それが、、
誰や？
････ハヤカワで。。
ナニぃ！
ハヤカワだとぉーっ!!
バツの悪そうに首をひねって見せる笹やん。
対してセンター長は、笹やんの顔面にツバを浴びせるほどの
大声で吠えまくります。
アホか！おめーは!!
何であんなヤツに検品なんか
やらせるんや？
っつーか、アイツには検品させるなって
前々から言っておいたにもかかわらずっ!!
いやぁ～、たまたま他のバイトの奴ら、
全員、手が塞がっていて…
だからと言って、何でハヤカワなんや!?
おめーが検品すりゃ済んだやろ！
いやぁ～、オレも手一杯だったンで…
言い訳するなっ！
ハヤカワなんかにやらせるから
こんなコトになってまったやろ！
こうして、先ほどから「ハヤカワ」「ハヤカワ」と名前をあげて
かなりボロクソ言ってますが･･
実は、この作業場にハヤカワさんもいるわけで･･
そのハヤカワさん、とりあえず作業の手は動かしてますけど、
相当固まっているみたいで、表情もこわばってます…。
元々、ハヤカワさんは作業ミスが多く、周りから要注意人物として
見られています。
検品も、本当にチェックしているのか、間違いが多いようで･･
ひょっとしたらハヤカワさんは、文字や数字が読めないんじゃ
ないか？って悪口を言うバイトもいるほどで･･
なので、以前から、
検品だけはハヤカワにやらすなっ！
と言う禁止令が出ていたのです。
一応、各店舗にはオレの方から
謝っておいたし、状況説明して
理解してもらえた。
センター長は、少し落ち着いた様子で、そう言いました。
さらに、
幸い、5店舗中、3店舗を回れば済む。
B店とD店から1ケース回収して、E店へ
納めろ。
おめーの自家用車で間に合うやろ。
保冷ケースだけは忘れずに持って行けや。
と、笹やんへ指示すると、
いやいや…、
オレ、これからまだ忙しくて…
だったらハヤカワに配達させましょうよ。
口を尖らせて笹やんが言いました。
すると、センター長、またまた顔を赤らめて、
やめろ！
アイツにやらせたら、道に迷うどころか
事故でも起こされたらかなわん！
第一、アイツ、車の運転なんて出来んやろ！
いやぁ～、免許くらいは持ってると
思いますけど…
アイツが車に乗っているのを見たことも
聞いたこともないゾ！
ここにだって自転車で通っとるやろ。。
でも…
でももナニも…
おめーが行け！
もうコレ以上、ハヤカワなんかに
やらすなっ！
って、今、この場にハヤカワさんがいるのに…
この二人、全くハヤカワさんの人権を無視しているかのようで。。
当のハヤカワさんは、確実に動きを鈍らせ、苦く笑っているのみ。。
オレの車を貸すから、ハヤカワに
配達させればイイでしょ？
各店への道も教えてやるんで。。
店までの道より、作業に対する正しい
道筋を教えたれや！
おめー、ある意味、バイトたちの
「道しるべ」なんやゾ！
本来、間違いのないようにバイトたちを
導くことが、おめーの仕事なんやゾ！
センター長は、笹やんの顔の前で、興奮しているのかブンブンと
手を振りながら喚いてます。。
バイトたちの「道しるべ」って言われてもナァ･･
こう言っちゃ申し訳ないですが、笹やんが「道しるべ」では、
迷うどころか、遭難しちゃうンじゃ。。。
で、結局…
笹やんは、渋々、配達に出掛けて行ったのでした。。
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