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浮世の垢落し

1960年代の日本・・

敗戦後、見事に復興し、経済成長は著しく、国民は希望と
夢を持ち、日々の暮らしに楽しさや安らぎを見出せるように
なってきました。

とは言え、現代に比べれば不便、不自由なことは多くて、
そのひとつに浴室があげられます。

ウチに風呂がない!

そんな家庭、住居は少なくなかったのです。

寒い季節であれば、風呂に入るのは1日おき…って人も
まあまあいらっしゃったみたいで・・

でも、今みたいに暑い時季は、ザーッと汗を流し、身体を
きれいに洗ってから眠りたい!

でも、ウチには風呂がない!

でも、汗を流したい!

ンじゃ、どーする!?

銭湯です!

現代のスーパー銭湯より、ずっと規模は小さいですが、当時は
ちょっとした住宅地であれば、ウチから歩いて行ける距離に
銭湯があったそうで・・

アルミやプラスチック製の洗面器に石鹸とタオル入れて、下駄を
カラコロいわせながら銭湯へ通う人・・

夕暮れ時は、そんな人、何人も見掛けることが出来たそうです。

全国浴場組合の加盟数は、1968年がピークだったと言われており、
その数は、17,000軒以上でした。

それぐらいの数でしたら、確かにちょっとした住宅地であれば、
歩いて行ける距離に銭湯があったと頷けますね。

しかし、現代は…

昨年4月時点で2204軒。。。

1968年に比べて8分の1に減ったわけです。

そりゃまぁ、今時、ウチに風呂がない…って住居は極めて少ない
ですし、銭湯自体が老朽化してしまったり、経営者の高齢化で
昔ながらの銭湯は減る一方でして。。。

江戸時代の頃から銭湯(当時の湯屋)は、

  身体の汚れを落とし、ついでに浮世の垢も落す

などと言い、地域のコミュニケーションの場として人気だった
ようです。

湯船の中で、または、洗い場で・・

さらには脱衣場の隅で・・

知っている者同士だけでなく、初めて見る顔も、軽く挨拶して
世間話に花を咲かせる・・

そんな場でもあったようで、これは現代も同じですね。

僕も風呂が大好きで、スーパー銭湯へよく行きますが、親しげに
話し掛けてくれる人がいて、しばらく世間話をすることがあります。

特にどう…ってコトのない話ですが、そんなのでリラックスできたり
するもので、まさしく「浮世の垢落し」ってわけです。

さて、減っていく昔ながらの銭湯を維持しようと言う動きもある
みたいで・・

中には、駄菓子が当たる子ども向けのくじ引きを催し、家族客を
増やそうと企画したり、若者限定で入浴代無料にする代わりに
浴場内を掃除してもらう企画を立てたり・・

脱衣場でミニコンサートを定期開催する銭湯もあるそうです。

コミュニケーションの場、ささやかな社交場としての銭湯を
見直してもらおうと、いろいろ知恵を絞っているようです。

あいにく、僕の住んでいる所にはスーパー銭湯しかなくて・・

昔ながらの銭湯・・

あれば行ってみたいです。

1960年代は、

  ウチには風呂がない!

でしたが、現代は、

  近所には銭湯がない!

そんな時代に変わったのです。。。
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LargeKzOh

拙宅から若い方なら徒歩10分程、里山を下った先に銭湯があります。
しかも2軒。
極々普通の昔ながらのタイプですが、駐車場もあって、クルマで出向く方がいるのかも。

by LargeKzOh (2020-08-10 22:13) 

あべしん

LargeKzOhさん、毎度ありがとうございます。

その里山を下った先は、銭湯過密地帯と言えるかも
しれません。
それとも、家風呂のないご家庭が、まあまあいらっしゃる
のでしょうか。
いずれにしましても、2軒ともいつまでも続けていただき
たいものです。

またよろしくお願いします。

by あべしん (2020-08-11 13:05) 

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