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最後の出口

高次脳機能障害と言う脳疾患があります。

脳卒中や交通事故などにより、脳に損傷が生じ、これが原因で
言語、記憶、情緒などの認知機能に障害が出るそうです。

以前に比べ、怒りっぽくなったり、注意が散漫になったり、
記憶が悪くなるなどの症状が見られるとのことです。

推計では、国内に50万人の高次脳機能障害者がいると言われて
います。

これは60代の夫婦で、旦那さんの方が高次脳になってしまった
実話です。

12年前に旦那さんは、脳に血栓が詰まって、脳梗塞を発症しま
した。

2ヵ月ほど入院した後、職場復帰を果たしましたが・・

性格が一変してしまったようで、ささいなことで声を荒げるほど
怒りっぽくなってしまったそうです。

そのため、せっかく復帰した職場では、周りから無視されたり、
露骨な嫌がらせを受けるようになりました。

また、親族からも嫌われ、疎遠になっていきました。

が・・

本人は記憶障害があるらしく、そうした嫌がらせなどは、
ほとんど忘れているみたいです。。。

むしろ・・

辛いのは奥さんの方でして・・

旦那さんの職場のことはよく知りませんし、親族が遠ざかって
しまったことは耐えられたものの・・

旦那さんは、自宅で暴れることが増えたそうで、特にひどかった
のが9年前・・

部屋の中で独り暴れる旦那さんに、奥さんが声を掛けると、
いきなり殴り掛かってきたのでした。

奥さんは、頭部を何度も思いっきり殴られ、気を失い、その場に
倒れ込んでしまいました。

1時間ほど経って、ようやく奥さんは目を覚ましました。

しかし、奥さんは、その場の光景を目にして驚きました。

部屋の中で、旦那さんが何事もなかったように平然と座って
テレビを観ているではありませんか!

1時間前、あれほど何度も強く殴っておきながら・・

それで気を失ってしまったのに・・

どうも殴ったことを記憶していないようで、倒れている奥さんを
ただ眠っているとでも思っていたのでしょうか?

その後も度々、奥さんは殴られるようになりました。

そのためか、奥さんの耳は聞こえづらくなり、時に目まいや
頭痛に悩まされるようになりました。

そして何よりも…

旦那さんと二人だけで生活している今の状況が怖くて堪らなく
なってしまったのです。

やがて奥さんは不眠症になり、ストレス障害を発症してしまい
ました。

でも旦那さんは、そんなことお構いなしで…

度々の暴言に暴力…

時には包丁を振り回すことも…

  もうこれ以上ムリ…。

日に日に心が病んでいく奥さんは、死を考えるようになりました。

旦那さんを殺して、自分も死のう…ってことではなく、安楽死を
考えたのです。

日本では認められていないので、オランダへ行こうと思った
そうです。

僕は詳しいことを知らないのですが、オランダでは安楽死が
認められているみたいです。

苦しみから逃れよう・・

二人で静かに死んでしまおう・・

しかし・・

奥さんは思い留まり、高次脳の症状が悪化している旦那さんを
施設に預け、独りで暮らしているとのことです。

このお話は以上ですが・・

ここで思うことは、死と言うものを選択しなければならない
局面もあると言うことです。

殺人とか自殺ではなくて、安楽死と言う選択・・

これについての具体的なことは知りませんが、

  生きているより死んだ方が楽になれる。
  幸せになれる。

真剣にそう思っている人、そんな状況に置かれている人、
多くはないでしょうけど、居ると思います。

死んだら元も子もない!

死んで花実が咲くものか!

生きていたら、きっとイイことがあるから!

それらの言葉を聞かされれば聞かされるほど、辛さが増す人も
居ると思います。

かと言って、僕は安楽死とか、死の選択を勧めているわけでは
ありませんよ。。。

ただ、ハラスメントとか虐待とか…

そんなのから逃れられないとしたら…

それで誰かに相談したりしても全く見通しが立たなくて…

ますます絶望だけが膨らんで…

そんな状況に置かれた時に、残された選択と言うか、最後の
出口と言うか、そんなコトを考えさせられる実話でした…。
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