笹やん 忍び逢い
朝、バイト先の冷凍食品センターへ行ってみると…
笹やんチームのバイトたちが、盛り上がって何やら話し込んで
いるようでした。
主に熟年女子バイトたち。それに若手男子バイトが数人加わって、
作業場で手を動かしつつ、興奮気味に話しているのでした。
へえ？
マジっ！？
これで4ヵ月くらい
続いてるわけよね～
そろそろヤバくない･･？
どうやら、バイトのヨコイさんの不倫話で盛り上がっている
みたいです。。。
自然に…、ホント、自然に僕も、話の輪に入ってしまいました。。。
聞いてみると…
熟年女子バイト・ウカイさんが、昨日の夜9時頃、駐車場で
ヨコイさんの車中にナカヤマさんが乗っているのを見たと
言うことから始まったようで…
当然、運転席にはヨコイさん、そして、助手席にナカヤマさんが
座っていたそうで…
車中、ナカヤマさんは、やたら手櫛で髪をとかしながら、
ヨコイさんに話しかけていたようで…
で、ヨコイさんは、ギラギラした目つきで、ウンウンと頷いて
いたそうで…
あの様子…
ナカヤマさん、もしかして
ヨコイさんに結婚を迫ってたンじゃない？
ええっ！
まっさかぁーー！
いやぁ～、あり得るかもネ･･。
ところで…
ナカヤマさんって言うのが、ヨコイさんの不倫相手でして、
40代前半の、いわゆる妖艶な女性らしいです。
あいにく、僕は一度も顔を見たことがないのですが、周りの
話ですと、決して美形でもなく、可愛いわけでもないのですが、
何だか、男をムラムラさせる
オーラがある！
そんな女性らしいです。。
ナカヤマさんの名前はユミ子と言うそうですが、笹やんは
あいつはユミ子じゃねー！
ヤミ子(闇子)だ！
って言ってます。。
噂によりますと、いわゆるヤミ子は、やたら若い男子をつかまえ、
やたら不倫しているみたいです。
それで「闇の女」「魔性の女」などと言われているようで･･。
で、ヨコイさんとヤミ子の関係が発覚したのが4月の後半…
その間、さすがに笹やんも心配して、ヨコイさんに意見した
こともありましたが…
やっぱ、まだ続いてたんだね～！
それにしても、ウカイさん･･、
夜の駐車場に停めていたヨコイさんの車の中の様子、よくも
そこまで見ていましたね…。
だって、アタシ･･、
隣に停めてたモン☆
なるほどですね～。。。
そっかー！
あの野郎、まだヤミ子と
忍び逢っとるンか！
いつしか笹やんも、この話の輪に加わっており、いきなり
大きな声で、こう言ったのでした。
忍び逢い…
この古風にして艶っぽい表現…
これを笹やんが口にすると、なぜか笑えます。。。
すると、ここで熟年女子バイト・トヨカワさんが、
でもさぁ～、ヨコイさん、マジで
そろそろヤバくない？
実は、この前の水曜日だったかなぁ…
ナカヤマさんが、見たことのない30前後の
男と一緒に、ガストで夕ごはん食べてたの
見たヨ。。
トヨカワさんによれば、その男は、ここのセンターで見たことの
ない全く見知らぬ男だそうで…
ヤミ子のヤツ･･、
もう見境なく、手当たり次第に
若い男を食いモンにしているに
違いない！
かもね～。。
でさぁ、ナカヤマさん、
その若い男を、やたら挑発的な
目で見ながら、何か話してたわ。。
どんな話してたンだろ？
はっきりとは聞き取れなかったけど、
「行ってみる？」とか「行ったことある？」
って何回か言っていたわ。
よくそこまで見たり聞いたり
できたナァ…。
だって、隣のテーブルで
食べてたモン☆
なるほどですね～。。。
二股どころか、あのオンナ、
三つ股、四つ股かけているんじゃ…
そうやって手当たり次第、若い男の
精気を吸って生きてるようなヤツだ！
蜘蛛女ですね。。
オンナ吸血鬼だ！
コレ、冗談じゃなく
本物の闇の魔女だよ！
ここで腕組みをしながら笹やん、考え込んでいる様子…。
ところで、ヨコイさんは、商品の出庫をしているらしく作業場に
おらず、収納庫にいるようですが…
ちょうど作業場に戻ってきました。
おっ！
おーい、ヨコちゃーん☆
ヨコイさんを見つけるなり、笹やんが声を掛けました。
ハ～イ☆
ヨコイさんは、呼ばれると不思議なくらい爽快、且つ軽快な声色で
返事をしてくれます。
笹やんは、この返事を聞きたくて、わざと遠方から、大声で
ヨコイさんを呼びつける癖があるのでした。。
近づいて来るヨコイさんに、笹やんが言いました。
おう、ヨコちゃん。
今日はヤケに足取りも軽快やなぁ。
なんかイイことあったンかい？
これに対し、ヨコイさんは曖昧な笑顔を見せるだけ･･。
なんや？ ええ？
昨日、イイことあったみたいやな？
モジモジして笑うヨコイさん。。。
それはエエけど、なぁ、ヨコちゃん。
そろそろヤミ子と忍び逢うのはやめとけ…。
…。
甘美な夜を楽しむのは勝手だけどヨ。
ほどほどにせんとヤケドするぞ。
…。
なあ、ヨコちゃん…
おい、聞いとるンか？
…。
おい、ヨコちゃーん☆
…。
石のように固まってしまったヨコちゃんでした。。。
その場は、これで一旦お開きとなりまして･･
不倫経験、いや…、異性との交際経験が豊富であろうと思われる
笹やんは、それなりにヨコイさんのことを気に掛けているみたい
でした。
昼過ぎ…
やはり、ヨコちゃんを気にしているのか、仕分け作業中、いきなり
笹やんが、
やはり、ここはゼットだ！
ゼットならヤミ子を倒すことが
出来る!!
ビックリするくらい明るい笑顔で叫び出しました。
そして、すぐ近くで作業している大学3年の女子バイトである
アサイさんに向かって、
おい、ゼット！
おまえ、やっぱりヨコイと付き合え！
どうだ？
マジで考えろや。
何故か知りませんけど、輝くような笑顔で、そう言いました。
アサイさんは、笹やんチームで唯一、格段に若い20歳の女子です。
が…
柔道女子であり、色黒で濃厚な顔つき、肩が盛り上がり、いかにも
頑強な体格…
身長も175センチはあろうかと思います。
そんな容貌から、笹やんは「マジンガーZ」を連想したのか、彼女を
ゼットと呼ぶのでした。。
で…
笹やんから言われてアサイさんは、
私のことゼットって言うの
やめてもらえません!?
みんなからゼットって言われるし！
全く取り合おうとしません…。
なあ、カレ氏ほしいやろ？
ヨコちゃん、どうだ？
なあ、ゼット･･
ゼットじゃねーわっ!!
おまえ、顔立ちはイイ！
もうちょっと痩せて…
もうちょっと髪の毛、しなやかにして…
もうちょっと化粧でもして…
そしたら、おまえ…
めっちゃモテるぞ☆
うるせー！
投げたろかっ!?
笹やんに平気でタメ口を使うアサイさん。。
さすがの笹やんも、彼女に投げられたら堪ったモンじゃありません。
周りにいた僕らは、無邪気に笑って見ているだけですが…
少しだけ、ゼットvsヤミ子…、期待してるンです。。。
果たしてゼットは、闇の魔女からヨコちゃんを救ってくれるので
しょうか？
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笹やんチームのバイトたちが、盛り上がって何やら話し込んで
いるようでした。
主に熟年女子バイトたち。それに若手男子バイトが数人加わって、
作業場で手を動かしつつ、興奮気味に話しているのでした。
へえ？
マジっ！？
これで4ヵ月くらい
続いてるわけよね～
そろそろヤバくない･･？
どうやら、バイトのヨコイさんの不倫話で盛り上がっている
みたいです。。。
自然に…、ホント、自然に僕も、話の輪に入ってしまいました。。。
聞いてみると…
熟年女子バイト・ウカイさんが、昨日の夜9時頃、駐車場で
ヨコイさんの車中にナカヤマさんが乗っているのを見たと
言うことから始まったようで…
当然、運転席にはヨコイさん、そして、助手席にナカヤマさんが
座っていたそうで…
車中、ナカヤマさんは、やたら手櫛で髪をとかしながら、
ヨコイさんに話しかけていたようで…
で、ヨコイさんは、ギラギラした目つきで、ウンウンと頷いて
いたそうで…
あの様子…
ナカヤマさん、もしかして
ヨコイさんに結婚を迫ってたンじゃない？
ええっ！
まっさかぁーー！
いやぁ～、あり得るかもネ･･。
ところで…
ナカヤマさんって言うのが、ヨコイさんの不倫相手でして、
40代前半の、いわゆる妖艶な女性らしいです。
あいにく、僕は一度も顔を見たことがないのですが、周りの
話ですと、決して美形でもなく、可愛いわけでもないのですが、
何だか、男をムラムラさせる
オーラがある！
そんな女性らしいです。。
ナカヤマさんの名前はユミ子と言うそうですが、笹やんは
あいつはユミ子じゃねー！
ヤミ子(闇子)だ！
って言ってます。。
噂によりますと、いわゆるヤミ子は、やたら若い男子をつかまえ、
やたら不倫しているみたいです。
それで「闇の女」「魔性の女」などと言われているようで･･。
で、ヨコイさんとヤミ子の関係が発覚したのが4月の後半…
その間、さすがに笹やんも心配して、ヨコイさんに意見した
こともありましたが…
やっぱ、まだ続いてたんだね～！
それにしても、ウカイさん･･、
夜の駐車場に停めていたヨコイさんの車の中の様子、よくも
そこまで見ていましたね…。
だって、アタシ･･、
隣に停めてたモン☆
なるほどですね～。。。
そっかー！
あの野郎、まだヤミ子と
忍び逢っとるンか！
いつしか笹やんも、この話の輪に加わっており、いきなり
大きな声で、こう言ったのでした。
忍び逢い…
この古風にして艶っぽい表現…
これを笹やんが口にすると、なぜか笑えます。。。
すると、ここで熟年女子バイト・トヨカワさんが、
でもさぁ～、ヨコイさん、マジで
そろそろヤバくない？
実は、この前の水曜日だったかなぁ…
ナカヤマさんが、見たことのない30前後の
男と一緒に、ガストで夕ごはん食べてたの
見たヨ。。
トヨカワさんによれば、その男は、ここのセンターで見たことの
ない全く見知らぬ男だそうで…
ヤミ子のヤツ･･、
もう見境なく、手当たり次第に
若い男を食いモンにしているに
違いない！
かもね～。。
でさぁ、ナカヤマさん、
その若い男を、やたら挑発的な
目で見ながら、何か話してたわ。。
どんな話してたンだろ？
はっきりとは聞き取れなかったけど、
「行ってみる？」とか「行ったことある？」
って何回か言っていたわ。
よくそこまで見たり聞いたり
できたナァ…。
だって、隣のテーブルで
食べてたモン☆
なるほどですね～。。。
二股どころか、あのオンナ、
三つ股、四つ股かけているんじゃ…
そうやって手当たり次第、若い男の
精気を吸って生きてるようなヤツだ！
蜘蛛女ですね。。
オンナ吸血鬼だ！
コレ、冗談じゃなく
本物の闇の魔女だよ！
ここで腕組みをしながら笹やん、考え込んでいる様子…。
ところで、ヨコイさんは、商品の出庫をしているらしく作業場に
おらず、収納庫にいるようですが…
ちょうど作業場に戻ってきました。
おっ！
おーい、ヨコちゃーん☆
ヨコイさんを見つけるなり、笹やんが声を掛けました。
ハ～イ☆
ヨコイさんは、呼ばれると不思議なくらい爽快、且つ軽快な声色で
返事をしてくれます。
笹やんは、この返事を聞きたくて、わざと遠方から、大声で
ヨコイさんを呼びつける癖があるのでした。。
近づいて来るヨコイさんに、笹やんが言いました。
おう、ヨコちゃん。
今日はヤケに足取りも軽快やなぁ。
なんかイイことあったンかい？
これに対し、ヨコイさんは曖昧な笑顔を見せるだけ･･。
なんや？ ええ？
昨日、イイことあったみたいやな？
モジモジして笑うヨコイさん。。。
それはエエけど、なぁ、ヨコちゃん。
そろそろヤミ子と忍び逢うのはやめとけ…。
…。
甘美な夜を楽しむのは勝手だけどヨ。
ほどほどにせんとヤケドするぞ。
…。
なあ、ヨコちゃん…
おい、聞いとるンか？
…。
おい、ヨコちゃーん☆
…。
石のように固まってしまったヨコちゃんでした。。。
その場は、これで一旦お開きとなりまして･･
不倫経験、いや…、異性との交際経験が豊富であろうと思われる
笹やんは、それなりにヨコイさんのことを気に掛けているみたい
でした。
昼過ぎ…
やはり、ヨコちゃんを気にしているのか、仕分け作業中、いきなり
笹やんが、
やはり、ここはゼットだ！
ゼットならヤミ子を倒すことが
出来る!!
ビックリするくらい明るい笑顔で叫び出しました。
そして、すぐ近くで作業している大学3年の女子バイトである
アサイさんに向かって、
おい、ゼット！
おまえ、やっぱりヨコイと付き合え！
どうだ？
マジで考えろや。
何故か知りませんけど、輝くような笑顔で、そう言いました。
アサイさんは、笹やんチームで唯一、格段に若い20歳の女子です。
が…
柔道女子であり、色黒で濃厚な顔つき、肩が盛り上がり、いかにも
頑強な体格…
身長も175センチはあろうかと思います。
そんな容貌から、笹やんは「マジンガーZ」を連想したのか、彼女を
ゼットと呼ぶのでした。。
で…
笹やんから言われてアサイさんは、
私のことゼットって言うの
やめてもらえません!?
みんなからゼットって言われるし！
全く取り合おうとしません…。
なあ、カレ氏ほしいやろ？
ヨコちゃん、どうだ？
なあ、ゼット･･
ゼットじゃねーわっ!!
おまえ、顔立ちはイイ！
もうちょっと痩せて…
もうちょっと髪の毛、しなやかにして…
もうちょっと化粧でもして…
そしたら、おまえ…
めっちゃモテるぞ☆
うるせー！
投げたろかっ!?
笹やんに平気でタメ口を使うアサイさん。。
さすがの笹やんも、彼女に投げられたら堪ったモンじゃありません。
周りにいた僕らは、無邪気に笑って見ているだけですが…
少しだけ、ゼットvsヤミ子…、期待してるンです。。。
果たしてゼットは、闇の魔女からヨコちゃんを救ってくれるので
しょうか？
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