________________________________________________________________________

笹やん 迷走中

今月から、晴れて正式に数社の納品先を担当することになった
オーシバさん。

彼は、バイト先の冷凍食品センターの最年少社員です。

今年3月、ここへ入って来るなり、我らが笹やんの下、適切(?)な
指導を受け、こうして納品先を担当し、バイトたちを管理する
立場になったわけです。

が…

彼は、25歳という若さと、その性格の大人しさゆえに…

早くもバイトたちから、ナメられまくっていたのでした。。

彼より5つも年下のバイトから平気でタメ口を使われていたり、
中には全く言うコトを聞かないバイトもいたり…

まぁ、それでも何とか作業は回っているみたいですが…

時々、オーシバさんチームは、やや大きめのミスをやらかして
います。

オーシバさん自身、まだ経験が浅いため、ミスが多いことは
事実です。。

それで今日…

オーシバさんの担当する中規模のラーメンチェーン店の商品で
「豚バラブロック」と言うのがありまして…

それは“不定貫商品”と呼ばれている部類の商品で、規格が
一定ではありません。

同じ豚バラブロックでも、それぞれ重量が異なっており、伝票を
発行する際、小数点第一位までの重量を入力し、単位項目は
「Kg」を選択しなければなりません。

なのに…

オーシバさん自身なのか、はたまた、バイトの誰かが間違えたのか・・

単位項目を「個」で入力した伝票が数枚あったようで、それらは
全て「単位エラー」ということで、発行された伝票上の数量は
空白になってしまっているみたいです。。。

ってコトで、商品だけは納品されたけど、価格請求できない状況に
なっているみたいです。。。

今朝、入出庫を専任する社員のタカハシさんが気づき、予定在庫の
数量に誤差があるので調べてみたところ…

  あっ!
  単位エラーで数量が空白になったまま
  伝票発行されちゃってる!

さらに、

  あっ!
  これらの数量が在庫誤差と
  ピッタリ合っちゃってる!

それで、

  あっ!
  この商品の納品先は「××亭」だから、
  オーシバくんの担当だ!

と言うことが判明。。。

すぐさま、タカハシさんは、オーシバさんのところへ行って
事情を説明したそうですが…

どうもオーシバさん、理解できていなかったらしく、

  はぁ?
  それで、どうなるんですか?

そう聞き返したとか。。

  どうなるって…、数量が空白の分は、
  ××亭へ請求できないじゃん!

タカハシさんがそう言っても、

  ナンでですか?
  請求できないのはナンでです…?

オーシバさん、不思議そうな顔でタカハシさんへ尋ねたとか。。

  アカンなぁ、こいつ…。

たぶん、タカハシさんは心の中で、そう思ったかも知れません。。。

とりあえず、この状況をセンター長へ説明することに…

それを聞いたセンター長…

大いに驚き、大いに慌てふためいたそうです。。

  だっ…!?
    はっ…!!
  と、とにかく明細を書面化しろ!
  豚バラの現時点の現物在庫を拾い出して、
  入庫票をもう一度確認しろ!
  誤差数量に間違いなければ「××亭」の
  エラー伝票を抜き出して、店舗別の明細を作れ!
  それを本部へ提出し、事情を説明して
  理解してもらうしかないやろっ!

そんなような事をタカハシさんに、喚くように言ったとのことです。

しかし、これはタカハシさんの仕事ではありません。

オーシバさんがやらなければいけない事です。

それにタカハシさんは、これから大量に商品を出庫する大仕事が
待っているのです。

その旨をセンター長に伝えると、

  オーシバ!
  すぐにオーシバをここへ
  連れて来いッ!
  
そう叫んで、センター長がオーシバさんに処理方法を指示した
ようです。

が…

センター長の言っている意味がわからないのか、オーシバさんは…

ぷるぷるっ…

細かく頭を振ったようで。。

  どうしたんや?

怪訝な顔でオーシバさんに尋ねるセンター長。

するとオーシバさんは、こう答えたそうで…

  あの、片頭痛で…
  ちょっと頭、痛くなってきて…

そうしたらセンター長が、こう叫んだそうで…

  アタマ痛いのはこっちやわっ!
  意味がわからんのなら、
  笹○のところへ行って、一緒に
  手伝ってもらえ!

と、若くて未熟なオーシバさんを突き放したのでした。。。

概ね以上のことを、オーシバさんの口から聞いたのが、昼前の11時頃…。

僕らバイトは、作業をしながら、腹の中でニヤニヤしつつ、聞き耳を
立てるのでした。。

で…

それを聞いた笹やん。。

  って、オレのところへ来ても…

キョトン顔をしています。

  すみません…。
  どうしたらイイですか?

オーシバさんとしては、今や頼れるのは笹やん一人だけ…。

  だから、オレんところへ来ンな!


  どうすればイイです?


  ・・・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・・・。。

目をパチクリさせて無言で突っ立っている笹やん。

そこにセンター長がやってきて、

  笹○!
  おまえ、オーシバと一緒に在庫を
  拾い出せ!

と指示しました。

  ええぇぇ───っ!?
  どうしてオレが?

大袈裟に言い返す笹やん。

  そう言わず、面倒見てやれ!
  なぁ、元々、おまえが
  オーシバを指導したンやろ?


  はあぁぁ───っ!?
  意味わからんしッ!


  とにかく頼むぞ!
  急いでやれ!

完璧にムチャ振りされた笹やん。

舌打ちしつつ、オーシバさんを連れて事務所へ行きました。。

30分ほど経ったでしょうか。

B4サイズの用紙を手にしたオーシバさんが、笹やんの後から
モタモタと作業場へ戻ってきました。

  すみません、笹○さん。
  これをどうしたらイイですか?

そう尋ねるオーシバさんを、イラッとした目でにらみつけて、

  って何でもオレに聞くな!
  自分で考えろ!

吐き捨てるように言う笹やんでしたが、しばらく二人で黙々と
入庫票と在庫誤差を確認していたようです。

それが終わると、オーシバさん、か細い声で尋ねます。

  すみません。
  で、どうしたら…


  ・・・・って、おまえナァ・・。

苦り切った顔の笹やん。

何とか一緒に、数量が空白で発行された伝票と照合しています。

  笹○さん、すみませんが、
  この後、どうしたら…


  ・・・・・・・・、
  おまえ・・・・・、
  なぁ・・・・。。

今、笹やんは、40も年下のオーシバさんのせいで、完全に迷走させ
られているようです。。。

そんな様子を、やや離れた位置から見ていたセンター長、

  オーシバのやつ…
  タカハシに次いで、オレの右腕になって
  くれるかと期待してたのに…
  ムリだな、こりゃ。。

ボソッと小声でそう言ったのを、僕はハッキリ聞いたのでした…。
にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ
にほんブログ村




nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント