とにかく温まりたかった

これはローカル新聞に小さく掲載されていた事件です。

52歳になる無職の男が、ある日の午前4時頃に建築会社の
事務所に合鍵を使って侵入し、ポットに入っていたお湯
2リットルほどを窃取したという事件です。

男は巡回中の警察官に見つかり、建造物侵入と窃盗の容疑で
現行犯逮捕されました。

　　生活に困窮し、自宅のライフラインが
　　止められた。
　　温かいお湯が欲しかった。

取り調べ中、こんな供述をしたとのことです。

男は、なぜ建築会社の事務所の合鍵を持っていたのか…と
いった詳しいことは掲載されていませんでしたが…

ひょっとしたら、以前、その建築会社に勤めていたのかも
知れませんね。

それよりも、この記事を読んで、僕の胸に引っ掛かったこと
と言えば…

　　人間、暮らしに困窮すると、
　　まず温かいものが欲しく
　　なるんだろうなぁ…

ってコトです。

この男は、盗んだ2リットルのお湯を、どうしようとして
いたのでしょうか？

自宅に帰って、カップラーメンでも作って食べる気だった
のか…？

それとも、そのお湯を入れた容器を湯たんぽ代わりにして
抱いて眠ろうとしていたのか…？

とにかく温まりたかったわけです。

金とか高額品とかじゃなく、まず、お湯が欲しかった！

もしかして、この男は、強盗などをしてお金を奪うような
人間じゃなくて、単に運が悪くて、生活に困窮する身となり、
寒さに耐え切れなくなって、お湯を求めただけだったと
したら…

現行犯で捕まったのは、まさに運が悪かったとしか言いようが
ありませんけど、2リットルのお湯で安らぎ、気を落ち着かせる
ことができたのであれば…

こういう困窮者への、それこそ温かい救いの手が必要なの
ではないでしょうか？

とは言え、僕自身に、そんな救いの手を差しのべる余裕は
ありませんので、エラそうに言うことはできないですけど…。

2リットルのお湯盗んで新聞沙汰にするのなら、貧者に温かい
施策を打ち立てて、それを記事にしてほしいなぁ…って
思ったりしましたね。

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タグ：生活 困窮