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暴力と反省

こんなコトって、よくあると思いますけど…

特に若い女子が、複数で町を歩いている場合、たいてい
おしゃべりしながら歩くじゃないですか。

おしゃべりに夢中で周囲が見えなくなっている…

僕なんかも、これで困ったこと、何度かありますね。

目の前を3人の女子高生がキャアキャア盛り上がりながら
歩いているんですけど、道幅の狭い路地でしたから、
僕としては追い越して、早く先を急ぎたいのですが、
そんなコトお構いなしで、3人の女子高生は話しに夢中…

  だからさぁ、そうやって道を
  ふさぐんじゃなくてさぁ、
  もうちょっと固まって
  歩くとかさぁ…

彼女たちの後ろで、イライラしながら僕は歩いている
のでした。。。

まぁ、彼女たちは決して悪意があってのことではないの
ですが、もうちょっと周囲を気にして欲しいです。

こんなことでイラッとするの、僕だけじゃなさそうで、
例えば、こんな話がありますよ。

明日から夏休みという日のことでした。

12時を少し回った頃です。路上で水道局の職員が、ひとりで
何やら屈み込んで地面に掘られた穴の中を覗いていました。

おそらく水道管の取り換え工事でもするのでしょう。

水道局の職員は43歳になるおじさんです。小柄で小太り。
白髪混じりの頭をタオルで拭きながら、なおも穴の中を
除いていました。

ちょうどその頃、3人の女子中学生が通り掛かっていきました。

明日から夏休みを迎えると言う解放感もあり、彼女たちは
大きな声でおしゃべりしながら、時に大声で笑っては、よく
意味がわからない単語を並べ立て、また大笑いする、そんな
ことを繰り返しながら歩いているのでした。

水道局のおじさんは、頭の天辺から流れる汗をゴシゴシと
タオルで拭きつつ、屈み込んだ状態のまま、何やら賑やかな
女の子たちが通り過ぎていくようだと感じていました。

と、その時です。

それは、決して強い衝撃でも、鋭い激痛を覚えるほどのもの
でもありませんでした。

ただ、水道局のおじさんにとって、予期せぬ痛みだったこと、
全く不意に起きたことでしたので、痛みを感じる前にとても
驚いたようです。

それも声を上げることなく、屈み込んでいた身体、特に背中を
ピクリ!と大きく波打たせるように揺らしました。

どうやら、おしゃべりに夢中になって歩いていた女子中学生の
鞄が、水道局のおじさんの肩に当たったようでした。

驚いたおじさんは、屈んでいた体勢から真っすぐに立ち上がり、
何事が起ったのかと確かめるように、瞬時に周りを見回しました。

おじさんの視野に、3人の女子中学生が、何やら大声で笑いながら
歩き去っていく姿が映りました。

  こら、ちょっと待てぃ!

おじさんは、咄嗟に女子中学生たちの背に向かって叫びました。

おじさんは、本能的に自分の肩の痛みが、彼女たちのうちの
一人が、持っている鞄によるものだろうと判断したのです。

待てと呼び止められた女子中学生3人は、怪訝そうに振り返り、
水道局のおじさんを睨むようにして見ています。

どちらかと言えば風采のよろしくない水道局のおじさんでした。

彼女たちにしてみれば、夏の昼間に現われた「ヘンなおじさん」
といったところでしょうか?

  こら…

もう一度、おじさんは言いました。そして、こう続けました。

  今、鞄が肩に当たったんだよ。
  ひと言、謝ったらどうだ?

それを聞いて、しばらく黙り込んでいた女子中学生たち…

やがて、こんな言葉が出ました。

  ウザッ!

水道局のおじさんの耳に、はっきりと届きました。

「ごめんなさい」でも「すみません」でもなく、「ウザッ」

普段から、おじさんは“クソ”がつくほど真面目な性格でした。
この日も猛暑の中、おじさんは汗にまみれ、水道管の確認を
していました。

工事を順調に進めるため、間違いや手違いのないよう、そして
事故のないようにとの思いで、身体を屈め、ひとつひとつ丁寧に
確認していました。

もし、彼女たちの口から「ウザッ」と言う言葉が出て来なければ、
おじさんの次の対応も変わっていたのではないかと思います。

しかし、おじさんは…

おじさんは、持っていた傘を振り上げて、女子中学生のひとりの
身体を叩きました。

どうして傘を持っていたのかは知りません。。。

天気予報で、急な雷雨があるとでも言っていたのでしょうか。

真面目なおじさんは、それで傘を用意していたのですが、まさか
これで人を叩くなんて、本人も思っていなかったでしょう。

本当に衝動的な暴力でした。

女子中学生が不注意で、持っていた鞄を他人の肩に当てたのは
暴力と見なされず、それを注意したおじさんは、明らかに暴力を
振るったことになるのです。

幸い、ケガをすることはありませんでしたが、でも暴力は暴力
になるので、これは悪いことです。

このことは彼女らの通う中学校にも知れ、水道局にも通達され
ました。

後日、おじさんはこう語りました。

  深く反省しています。
  二度とこのような事件は
  起こさないよう気をつけます。

その時のおじさんの気持ちはどうだったでしょう。

本来、反省しなければならないのは、周囲に遠慮することなく
我が物顔で道を歩いていた彼女たちではないのか?

持っていた鞄を他人の肩に当て、それに気づかないわけがない!

なぜ、すぐにその場で謝れないのか!

そこのところを反省すべきじゃないのか?

水道局のおじさんは、そんなモヤモヤした気持ちを押し込めて、
それ以降も、真面目に勤めています。

一方…

3人の女子中学生は、相変わらずおしゃべりに夢中になって
さほど広くもない道をふさぐようにして歩いているのでした。
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