私道をふさぐ老夫婦のお話

毎度バカバカしいお話でございます。

幅の狭い道を歩いておりますと、向こうからも人が
歩いてきまして、この狭い道のことですから、
すれ違うのも容易じゃない…

なんて思いながら、速度を緩めて、ゆっくり歩いて
おりますと、向こうの人がすれ違いざまに、わずかに
身体を横に向けて、道を譲って下さる仕種をなさいました。

これ、イイもんですなぁ…

相手を思いやるチョットした仕種…

された方も、した方も実に気分がイイもので…

ところが、この逆はよろしくありません。

相手に道を譲らない…

譲らないどころか、道をふさいで通れなくしてしまう…。

実際にこんな話があったそうでございます。

道幅は2.4メートルと言いますから、特に狭いと言うほどの
道ではありません。

普通に歩いてりゃ、もう充分、互いにすれ違うこともできる
ような道に…

コンクリートのブロックや、植木鉢をズラ～ッと並べて、
隅の方に20センチだけ隙間を開けて通行を妨げてしまうと
言う…

そんなコトをするご夫婦がいらっしゃいまして…

このご夫婦は年齢、ともに77歳。

子供じゃあるまいし…ってわけで、周辺に住む皆さんは
大変、困っております。。。

実はこの道路、住民たちが自宅前の土地を提供し合って
設けられた私道でして…

　　ここに道を作れば、みんな便利に
　　なるから、ここはひとつ、
　　お互いに協力しようじゃないか

ってコトで数年前に出来上がった私道でしたが、道が
出来上がってみると、こうしてブロックや植木鉢を置いて
ふさいでしまうご夫婦が現われまして…

　　元はと言えば、ここらの土地は
　　ウチらのモンや！
　　この道かてウチらのモンやから
　　問題ないやろ！

苦情を寄せるたびに、こんなコトを言い返すご夫婦。。。

　　いやぁ、そやかて困るわ！
　　みんなで話し合って決めたやないですか！
　　お互いに便利になるから言うて、
　　それぞれの土地を出し合って作った道ですやん！


　　ほな、隅の方を歩いて行ったらよろし！
　　少し隙間、空いてるさかいな…


　　わたしらネコとちゃいますヨ！
　　あんな幅の狭いところ通れるのは
　　ネコぐらいのモンです！
　　ホンマ、エエ加減にしてください！


　　ほな、通るときに植木鉢を少しだけ
　　取り払ってやるから、通行料を払うてや！


　　何でやねん！
　　いつの間に有料道路になったんですか！？


　　ETC割引はあらへんで！
　　一切、割引なしやで！


　　そんなアホな…

こんなやり取りが度々起きており、堪りかねた住民たちは
とうとう警察へ相談することに…

この結果、この77歳のご夫婦は「往来妨害容疑」で逮捕されて
しまいました。。。

詳しい事情を聴取しようとご夫婦に尋ねてみても、

　　あの道は、ウチらのモンや！
　　自分の道路なんだから、
　　何をしようと問題ないやろ！

この一点張り…。

何時間か過ぎ、そろそろ気も折れて、取り調べに応じるだろうと
思って尋ねてみても、

　　あの道は、ウチらのモンや！

と、相も変わらず…。

すっかり閉口した警察官たち…

　　あの様子じゃ、いつまで経っても
　　話にならんわ…


　　ホンマですナァ…
　　道を譲らんだけやのうて
　　主張も譲らん夫婦やなぁ


　　まったく…
　　「我が道を行く」タイプの夫婦やわ…

おあとがよろしいようで。。。
（大阪府で起きた実話に基づきます）

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タグ：夫婦 私道