パチンコで負けた若い男のお話

ギャンブルと言いますのは、勝てば嬉しいモンですが、
負ければ口惜しい！

勝って気が大きくなり、また手を出して大負けしたり…

負けて口惜しくて、何とか取り返そうと、また手を出して
負けが重なる…

これじゃお金がいくらあっても足りません。

そんなわけで、

　　よしっ！
　　1万円だけ持って
　　パチンコ屋へ行こう！

と、財布の中に1万円札を1枚だけ入れて出掛けて行きます。

この1万円を使い切ったら、潔くパチンコは止めようと思って
台の前に腰掛けて、チンジャラ！チンジャラ！

勢いよく銀色の玉は弾かれていきますが、出玉の方は
さっぱり…。

あっと言う間に1万円を使い切ってしまいます。

　　ちくしょう！
　　口惜しいな！
　　1度も掛からないなんて
　　バカにしてやがる！

なんて頭を熱くして、家に戻り、再び財布の中に1万円を入れて…

　　よしっ！
　　もう1万円だけ持って
　　パチンコ屋へ行こう！

なんて、これじゃキリがありません。

さらに、ヒドいのになりますと、奥さんの口座からお金を
引き出してパチンコをする者もおりまして…

　　よし！行け！
　　入れ！
　　どうだ！
　　あっ！
　　惜しい！
　　この野郎！
　　行けっ、行けって！
　　ほら！
　　あ～、ダメだ…

先ほどから熱気ムンムン、台のハンドルがもぎ取られるんじゃ
ないかと思うほど力を込めて、玉の行方に見入っている若い男…

そのうち両肩をがっくり落して、よろよろとパチンコ屋を
後にします。。。

　　あ～、ヤバいわぁ…

若い男、奥さんに黙って、勝手に口座からお金を引き出した上、
それを全額、パチンコで使い切ったものですから、

　　バレたらエラいことになる！

何とか、うまい言い訳でも思いつかないものかと、頭を抱えて
おりますと、何かひらめいたようで…

さっそく若い男は、110番通報。

　　あ、すんまへん。
　　大変なんです！
　　路上でひったくりに遭いまして…

自分は、路上で原付の二人組に財布を盗まれ、パチンコで勝った
8万円を取られてしまった！

と言うことにしようと、警察に虚偽の通報をしたわけです。

が…

被害の裏付けを捜査していくうち、どうもおかしな点が
ありまして。。。

やがて、パチンコで勝ったのではなく大負けして、奥さんには
ひったくりに遭ったと言えば、それほど怒られずに済むだろうと、
それで嘘を言ったことがバレてしまいました。

と言うことで、若い男は虚偽申告として軽犯罪法違反で書類送検
されることに…。

　　すんません。
　　ホンマに反省してます。

若い男は警察官に謝ります。

　　ホンマか？
　　ホンマに反省してるか？
　　なぁ？
　　ホンマかぁ？


　　ホンマです。
　　もうパチンコはしません！


　　ホンマかぁ？


　　はい、ウチのカミさんに
　　タマ取られると思いますから…。

おあとがよろしいようで。。。

（大阪府岸和田市の事件より）

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タグ：1万円 パチンコ