上がらない遮断棒のお話

ウチから、あるショッピングセンターまで車で出掛けようとすると、
どうしても1ヵ所だけ踏切を通過しないといけないのですが、
この踏切が、JRと私鉄が並行しているため、遮断棒が下りると
なかなか上がりません。

いわゆる、開かずの踏切ってヤツです。

ま…、いくら正月でも電車は休まず、時間通り走っているわけで、
今日、その踏切で長いこと待たされました。

もう行けるだろうと思ったら、反対方向から電車が来るようで、
電光表示がつき、それが通過したのに、まだ遮断棒が上がらず、
どうしたんだ？　と思っていると、今度は私鉄電車が反対方向から
走ってきて…、

イライラしてきますね。こんな時って。。。

中には、腹が立って遮断棒を切断してしまう人もいらっしゃる
ようで。。。

これ、ホントに広島であったお話です。

その踏切もJRだけでなく、近くに路面電車が並行して走っている
ものですから、一度遮断棒が下りると、上がるまで長くなります。

そんな踏切で待たされるハメになった66歳のおじいちゃん。

電車が通り過ぎたのに、まだ遮断棒が下りたまま。。。

　　早よ上がらんかいっ！
　　わしゃ、急いじょるけぇーっ！

停車中の車の中でイライラしています。

しばらくすると反対方向から電車が通り過ぎていき、

　　よっしっ！！
　　もう上がるじゃろ！

そう思ったのですが、まだ上がりません。

カンカンカンカン！

踏切の警報も鳴り止まず、赤いランプは点滅したまま。。。

やがて、ノロノロと路面電車が通っていきましたが、それでも
遮断棒は上がりません。

カンカンカンカン！

イライライライラ…。

カンカンカンカン！

イライライライラ…。

カンカンカンカン！

イライライラ、イライライライラ…。


　　あ゛ぁ──────っ！！
　　もー我慢でけんっ！

おじいちゃん、車から降り、トランクを開けて、そこから
金切りのこぎりを取り出しました…、って何で、そんなモンが
入っているのか、よくわかりませんが…。

ひょっとしたら、このおじいちゃんは職工さんなのか、それとも、
いつか遮断棒を切断してやろうという腹積もりで、用意して
いたのか…？

とにかく、金切りのこぎりを挽いて、踏切の遮断棒をギコギコと
切り出しました！

カンカンカンカン！

ギコギコギコギコ…。

カンカンカンカン！

ギコギコギコギコ…。

カンカンカンカン！

ギコギコギコギコ…。

これがまた、午前11時頃のことで、他の停車中のドライバーや
通行人もおり、見てて唖然としたことでしょう。

カンカンカンカン！

ギコギコギコギコ…。

とうとう遮断棒を切断してしまいました…。


当然ながら、おじいちゃんは器物破損で捕まりました。

そして、遮断棒が切断され、その踏切地点は危険箇所という
ことで、後続電車は徐行運転をしなければならず、遅れが
生じてしまいました。。。

まぁ…、具体的にどれだけ罰金を支払うことになったのか
わかりませんが、知らせを聞いて、おじいちゃんの奥さんは
怒り心頭！

鬼も驚くほどの形相で、おじいちゃんを怒鳴りつけます。

　　あんた───っ!!
　　なんちゅーコトしてくれたんじゃ!?
　　このバカタレがっ!!

おじいちゃんはすっかりヘコんでしまい、奥さんにペコペコ
するばかり…。

上がらぬ遮断棒を切り、おじいちゃんの頭が上がらなくなって
しまいましたとさ。。。

おあとがよろしいようで。

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タグ：路面電車 JR