焼肉と言えばホルモンです

朝食を食べ終えた頃、ウチの反抗期の娘が唐突に、

　　焼肉食べたい!!

と叫び出しました。

　　何を、コイツ…
　　急に言い出すんだ？
　　今、何で焼肉なんだ…？

正直、僕は呆気にとられ、そんなことを思いながら、両親に似て
頭の悪い娘の顔を、しげしげと見つめるのでした。

すると悪妻が、

　　焼肉かぁ…
　　イイかもね！
　　今晩、久しぶりに
　　焼肉食べに行こうか！

あっさり賛同しました。

　　焼肉屋へ行く気か…
　　妙にすんなり受け入れたな…

正直、僕は呆気にとられ、そんなことを思いながら、食い意地の
張った悪妻の顔を、しげしげと見つめるのでした。


で…、

午後6時を少し過ぎた頃、近所に数軒ある焼肉屋の中でも最も
値打ちで旨いと悪妻が言い切る店へ入りました。

まずは「ファミリーセット」というカルビやロース、鶏モモ、
ホルモンが盛り付けられた大皿を注文しました。


そして、悪妻と娘は、ソフトドリンク飲み放題というヤツを注文、
僕は生ビールを注文しました。

生ビールを飲むのは、久しぶりです！

少なくとも1年近く、飲んでないと思います。。。

運ばれてきた生ビールを、僕は一気にジョッキの3分の2ほど
飲みました。

　　うん！
　　旨いナ！

ファミリーセットが運ばれてきた時、2杯目の生ビールを注文すると
悪妻が、

　　あまり飲み過ぎないでよ！

と言いましたが、車の運転はアルコールを飲まない悪妻に任せれば
済むことですし、飲み過ぎてベロベロになるようなことは絶対に
ないと言う自信があります。

そもそも、生ビールを飲んで、1杯で抑えようと言う方が無理です。

2杯目の生ビールも一気に半分ほど飲み、カルビなどを網の上に
のせて焼き始めます。

僕は焼肉と言えばホルモンが一番好きで、ホルモンだけでも
イイぐらいなので、カルビやロースは1切れ、2切れほど食べ、
あとは悪妻と娘が食べてしまいます。

その代り、ホルモンは僕がほとんど平らげてしまいます。


しかし、この…、ホルモンってのは、カルビとかと違って、
焼き上がりや、噛んで飲み込むタイミングが分かりづらい
ですね。

例えばカルビですと、焼き具合を目で確かめ、脳が、

　　もう焼けたゾ！

と指示を送ります。

そして口に入れ、噛んでいるうちに、また脳が、

　　もう飲み込んでいいゾ！

と指示して、口がそれに従い、喉へ送り込みます。

こうして目、口、脳の連携がスムースなのですが、ホルモンに
なりますと、まず目が、

　　もう焼けたのかな…？

と脳に確認を求めます。

　　う～ん…
　　焼けてると思うヨ…
　　いいんじゃない

と、脳は少しあいまいに指示します。

　　ホント？
　　これで焼けてるの？

と、目が疑います。

　　一応、火が通っている
　　みたいだから…

脳も、ちょっと自信なさそうに指示し、とりあえず口に入れます。

すると今度は噛んでいるうちに、脳が、

　　よし、もう飲み込んで
　　いいんじゃない…

と、カルビの時のような明確さはないですが、そんな指示を
出します。

　　マジっ！？
　　まだ全然噛み切れてないヨ！

そんなふうに口の方が反論しますと、

　　噛み切れるモンじゃないんだよ
　　ホルモンは…
　　いいから飲み込めよ

と、脳がムキになって指示してきます。

　　マジか！？
　　これで飲み込んでイイんか？

なおも口は抵抗を示します。

　　いいんだよ！
　　飲み込んでみろよ！

という感じで、目、口、脳の連携は、やや乱れがちになります。。。

僕はホルモンの、このあいまいな焼き上がり、飲み込み時期が
好きです。

もちろん味そのものも好きですが、このあいまいさがホルモンの
持ち味だと思っています。

そして、網にのせて焼いていると、ホルモンの脂が滴り落ち、
網上がボワッ！と炎上する時、とても興奮します。


3杯目の生ビールと、ホルモン1皿を追加注文し、飲み食いしている
頃には、悪妻も娘も満腹になったらしく、チビチビとウーロン茶など
飲んでいましたが、その後、僕は大盛りごはんを注文し、残った
ホルモンで、バクバクとごはんを食べ、満足して悪妻の運転する
車の中で、イイ気分になって街並みを眺めていました。

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タグ：焼肉 ホルモン 生ビール